新旧スズキ”10インチ”スクーター、駆動系/足まわりの違いや、いかに!? 【分解検証】どっちが速い? スウィッシュvsアドレス V125S 通勤快速対決/スズキ
- 2018/10/14
- モト・チャンプ編集部

スズキはずっと、「10インチ」に本気だ。
世のスクーターの趨勢は大径化に進みつつあるものの、それがすべてではないことをスズキは強く主張する。
そんなスズキの新旧10インチ2モデルを駆動系と足周りを中心に徹底比較してみた。
PHOTO●星野耕作(HOSHINO Kosaku)
REPORT●宮崎正行(MIYAZAKI Masayuki)
取材協力●モトメディコ

解説:モトメディコ代表・メンボー山根
国内外、排気量を問わず、スクーターのカスタム&チューニングを得意とするバイクショップ「モトメディコ」。その代表である山根氏は、メンテナンス時に数種類の綿棒を駆使したていねいな作業(すぎる)に定評があり、モトチャンプ誌面では「メンボーさん」の愛称でお馴染み。なお、アドレスV125Sに関する知識も豊富。
まずは乗って実感!別次元の高剛性ボディ
また、アドレスをカスタムして乗る人たちの間では、「ブレーキをもうちょっと効かせたい」という意見が多くあったけれど、スウィッシュではそんな風評は立たないと思う。ひと回り以上太いタイヤを履いていることと、シャシー剛性の高さがその理由。アドレスのときは、タイヤのキャパ不足を補うかのようにブレーキを強化したり、サスをハードにセットしたりしたけれど、そんなイタチごっこをしないで済むハズだ。
ただしスポーティかと問われれば、そうでもない。多くの販売が見込まれるアジア圏の道路環境を想定した場合、サスはソフト方向になっていて当然だけど、「もうちょっと走りに振ったセットにしたい」とも思う。車体剛性ははるかに高いので、そのメリットをしっかり活かしつつチューニングを施したい。スラローム走行では誰もが感じられるほど、ボディは“ガッチリ”している。
表現が難しいけれど、大きく感じるヤマハ・シグナスXとコンパクトだったアドレスの、ちょうど真ん中くらいにスウィッシュはポジショニングしている。台湾で大人気のシグナスXと、日本で売れに売れたアドレス。その両方のいいところをスウィッシュはすくい上げた。新型スウィッシュには伸び代もバリューも、フル装備なのだ!
バラしてみて分かったのは文句なしに高い完成度
そう、大事なのはセッティング。その上でもっとも強く感じたのは、「2車はセッティングが大きく異なる」ということ。
これはイメージだが、年を追うごとに厳しくなっている排気ガス規制によって、パワーダウンを余儀なくされてきたアドレスシリーズに科せられた足かせを、イノベーション(技術革新)という名のエクササイズ(筋力増強)で見事に跳ね返しているように見える。……スズキ万歳!
バイク本来の基礎体力は個人のカスタムではどうしようもなく、メーカーの高度なセッティングに頼るしかない。そんな基礎体力の上にのみ、われわれが行っているプラスαの「チューニング」が成立する。スウィッシュについて言えば、アドレスよりも確実に基礎体力が高い。そのポテンシャルを自分の手でさらに高めたい、武器となる社外製パーツがたくさん発売されてほしい、そう願ってやまない。
●駆動系の分解比較&解説は次回は後日掲載予定です
さて、具体的な数字で言うと、たとえばノーマルのウェイトローラーは19gだが、うちのショップでは15g、軽いと13gあたりをチョイスすることも。もちろん個人の好みが前提なので押し付けはしない。センタースプリングについても「ココをこうすると、アソコがこうなってしまい……」のように、なかなか各論だけで正解を出すことがむずかしいのが実際だ。そんな試行錯誤こそがチューニングの楽しさでもあるけれど(笑)。
スウィッシュの駆動系は、ノーマルのままで十分に優れている。規制の足かせに対して無理に抗おうとせず、直球勝負で戦っているのがカッコいいし、そこに未来のカスタムへの可能性も感じてしまう。スクーターファンをワクワクさせてくれる、作り込みのいい新型車が出てうれしいかぎり!
分解仲間のアドつ~さんの「クラッチは、重さもミートのタイミングもスリップ率も、どれも絶妙としか言いようがない」というコメントもまさに、スズキのセンスの良さと気合いを感じてしまう部分だろう。もしかして、開発メンバーの中に二種スク好きがいたのかも?
で、ここから先のさらなるパフォーマンス向上に向けて、アフターパーツメーカーさんやショップさんもトライ&エラーを繰り返さなければいけない。「できるものならやってみな!」級に潜在能力の高いスウィッシュとの戦いは、まだまだ始まったばかり。売られたケンカは買わねばオトコが廃る、の勢いでみなさん、頑張りましょう!
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