肩肘張らず、気負わずに乗れる万能スーパーネイキッド 【試乗記】クセがない&軽いのZ400は、市街地を走るのもストレスフリーでした。|カワサキ
- 2019/08/20
- MotorFan編集部 近田 茂

「Z」の称号は1972年登場のZ1に始まっている。カワサキの名を世界市場に轟かせた名車として有名だが、今ではZ1000を筆頭に同社のスーパーネイキッドを象徴するネーミングである。
REPORT⚫️近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO⚫️山田俊輔(YAMADA Shunsuke)

カワサキ Z400……667,440円







Zシリーズに共通するコンセプトは「凄」(Sugomi)デザインにある。プレスリリースを引用すれば、“絶対的な力感を内包した、緊張感と迫力あるデザイン”とある。クラウチングフォルムと称されたそのスタイリングは、低い位置から前方を睨むヘッドライトとボリュームたっぷりなガソリンタンク、そして大胆に跳ね上げられてフィニッシュするテールまでのシャープなライン構成で表現されている。
基本的には車体もエンジンも多くの部分がNinja400と共通する。しかし、フルフェアリングがはぎ取られ、ワイドで少しアップしたパイプバーハンドルを組み合わせる事で、趣の異なるバイクに仕上げられた。
実際スペックデータを詳細に比較しても、相違点は少ないが、それぞれのキャラクターに合わせて、こだわりの専用チューニングがなされていると言う。小売り価格でNinja400より約45,000円廉価である事も見逃せないだろう。
懐の深い乗り味が楽しめる
足つき性は膝に余裕を持って両踵で地面をシッカリ捉える事ができ、バイクを支えられる安心感がある。何よりも166kg という車重の軽さもありがたいチャームポイントだ。そのせいなのかバイクを引き起こした時に、タンク内の燃料の揺れがロール方向に顕著に感じられてしまう程だった。
ちょいアップされたバーハンドルを握ると意外とスポーティな雰囲気を覚える。上体の起きた楽な姿勢で乗れるのだが、気持ち的にはどこか戦闘的なイメージも漂い、アグレッシブに走ってみたくなった。外見に感じられる凄味のあるデザインから来る先入観がそう感じさせてくれるのかもしれない。
ツインカム4バルブの水冷2気筒は1万rpmで48psの最高出力を発揮。Ninjaとは吸排気系のチューニングが異なるのか、太くマイルドに感じられる出力特性が効いて、市街地でもとても走りやすい。
穏やかながら、いつでも頼れるスロットルレスポンスが発揮でき、線の細さを感じない逞しさがある。気を急く事のない落ち着きのある乗り味が楽しめた。しかも右手をワイドオープンすれば、回転の上昇に対してトルクの出方が綺麗に比例するハイパフォーマンスを発揮。その気になれば1万rpmオーバーの領域にも何のストレスも無く吹け上がる。
操縦性も至って素直。市街地のターン等ではNinja400よりもむしろシャープに旋回でき自由自在な扱いやすさに優位性が感じられた程である。ただしステアリングの切れ角は35度。最小回転半径は2.6mだ。狭い場所でのUターンでは、もう少し小回り性能を高めて欲しいと思えたのも正直な感想である。
とは言え乗れば乗るほどに、自分の身体に馴染んでくる。車重の軽さ、不足のないエンジンパフォーマンス、扱いやすさと落ち着きのある乗り味のバランスが絶妙。大き過ぎないミドルクラスとして気になる存在であることは間違いない。
⚫️足つきチェック(ライダー身長170cm)
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