バッテリーはどこにある? いったいどうやっている!? 電動スクーターの充電方法とは 「出川哲朗の充電させてもらえませんか?」で気になる、電動バイクの充電方法のハナシ。
- 2019/03/01
- 青木タカオ

人気お笑い芸人の出川哲朗さんが、「充電させてもらえませんか?」と旅先で出会った人に電動スクーターのバッテリーを充電させてもらいながら旅を続けるテレビ番組が面白いです。テレビでは詳しく説明されていませんが、電動バイクの充電っていったいどうやるのでしょうか。今回はそんなギモンに答えようと思います。
REPORT●青木タカオ(AOKI Takao) PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
バッテリーを取り外し、家庭用100Vコンセントで充電

クルマの場合、EVカーは自宅に設けたコンセントか、自動車ディーラーやコンビニ、スーパーマーケット、高速道路のサービスエリアや道の駅などに設置されている充電器スタンドで、車両に標準装備されているケーブルとコネクタを使ってバッテリーへの充電をおこないますが、電動バイクはどうなのでしょう。
ほとんどがバッテリーを脱着式にしていて、家庭用の100Vコンセントに対応しています。つまり、充電が必要になったらバイクからバッテリーを取り外し、電源のある場所に持っていて専用充電器でチャージできるのです。
シートの下、トランクスペースにバッテリーを搭載

バッテリーはシートの下に積まれていることが多く、ガソリンエンジン車ではトランクスペースだったところに相当します。出川さんが番組で乗っているヤマハ「E-Vino」も同様で、キー操作でシートを開くと50V,10AHのリチウムイオンバッテリーが姿を見せます。
Eビーノでは、1回の充電で29km(30km/h 定地走行テスト値)の走行を可能としていますが、走り方や道路状況、発進・停止の回数、車載重量、坂の勾配、風向き、風速、気温、バッテリーの劣化、タイヤの空気圧低下などによっても異なり、信号待ちで停止していてもヘッドライトの点灯で電力を消費しますので、実際には10〜20kmで充電しなければなりません。
29km走行可能というカタログ値は、真っ平らの場所で30km/h走行を続けた場合で、バッテリー新品、気温25度、乾燥路面、無風の条件下での数値。ライダーの体重は55kgを想定していて、タレントプロフィールで出川さんの体重は72kgとなっていますので、重量面でもバッテリーは酷使されていることになります。
バッテリーを外すのは、とても簡単です。車体側プラグの固定リングを反時計回りに回し、固定リングが完全に緩んだ後、プラグをバッテリーから抜きます。工具などは不要ですが、バッテリーの重量は6kgほどあり、女性には重いと感じるかもしれません。

バッテリー残量ゼロから満充電へ費やす時間は、バッテリー新品、最適な環境温度15〜25度の条件で約3時間。電気代は約14円、東京電力との一般的な契約(従量電灯B契約)の場合の試算です。
より長い距離を走れるように、Eビーノではバッテリーをもうひとつ積んでおくこともできます。1つの充電がなくなったら、スペアに取り換えるという方法です。
よりパワフルで航続距離も長い原2モデルも

Eビーノはガソリンエンジン車なら50ccに相当するする原付1種モデルですが、125ccモデルに相当する原付2種モデルの電動バイクもあります。ホンダ「PCX エレクトリック」(企業向けリース販売)は、48V系のモバイルパワーパック2個を直列接続し、システム電圧を96V系化し、力強い走りを実現しました。

シート下にエネルギー密度の高いリチウムイオンバッテリーが縦列配置され、充電時にはワンタッチで着脱ができます。ロックプレートやバッテリーホルダーが回転し、コネクターの動きが連動する機構が採用され、とても容易にバッテリーが外せるから驚きです。

バッテリーの重さは1つ10kgあり、オプションの専用充電器を使って家庭用100Vコンセントで充電が可能。1個のモバイルパワーパックをゼロから満充電にするにはおよそ4時間で、1充電あたりの走行距離は41km(60km/h定地走行テスト値)となっており、条件によって航続可能距離が変わってくるのはEビーノと同じです。

車体に内蔵されたプラグを使って、2つのモバイルパワーパックを車体に積んだまま充電する方法もあります。約2mのコードを持つ車体側プラグを100Vコンセントに繋ぐだけ。2個のモバイルパワーパックをゼロから満充電まで約6時間で完了。充電状態はスピードメーターに設定されたインジケーターで確認できます。
このように、電動バイクの充電は家庭用100Vコンセントでおこなうことができ、とても簡単です。だからこそ番組でも、出川さんは手軽に充電をさせてもらっているのでしょう。もし作業がタイヘンなら、充電を繰り返すバイク旅もきっとつまらなくなってしまうはずです。

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。モトクロスレース活動や多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディア等で執筆中。バイク関連著書もある。
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