YAMAHA・SEROW250 ヤマハ・セロー250で街へ、山へ。新型になっても、セローはセローだった【試乗インプレ】
- 2018/09/27
- MotorFan編集部

マウンテントレールとして知られるセロー250。8月31日に復活デビューを果たしたのは既報の通り。平成28年排出ガス規制をクリアした最新モデルに試乗した。
REPORT●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)


ヤマハ・セロー250……564,840円
試乗車は既に見慣れたフォルム。カラーバリエーションは白/緑、白/橙、白/青の3種用意され、デザインも含めて基本的に大きくは変わらない。細部に目をやると、フレームのダウンチューブ左側にキャニスターと呼ばれる黒い箱状の物が追加されたこと。そしてリヤフェンダー形状の変更と共にテールランプにはLED式のマッチングが新しい。
サイズ的には同じ。130kgだった車両重量が133kgへ若干増え、燃料タンク容量は0.3ℓ減の9.3ℓ入り。SOHC空冷2バルブのショートストロークエンジンもほぼ共通だが、圧縮比が9.5から9.7対1に高められ、最大トルクが先代の18Nm(1.9kg・m)/6500rpmから20Nm(2.1kg・m)/6000rpmに増強されている。ただ、ちょっと残念なのが価格の値上げ。本体価格で5万3000円の高騰は、入門用としても抜群に親しみやすかった魅力的な重要要素のひとつがスポイルされてしまったと言わざるを得ない。
40〜60km /hくらいが心地よい

しかし、セロー250に跨がりエンジンを始動させると何かホッとさせられる。以前から愛用していた自分の愛車に乗る様なフィーリングはとてもフレンドリー。ああコイツだ。セローの良さはライダーを穏やかな気持ちにさせてくれる心優しい乗り味にあることが直ぐに思い出されたのである。
気のせいか排気音は以前より少し太く歯切れが良い。クラッチミート後のスロットルレスポンスは微妙ながらも頼り甲斐を増した力強さが感じられた。発進後はサッサとシフトアップしエンジン回転を上げずに静かに住宅街を抜け表通りでは6速トップへ。平地で40km/hも出ていれば、あとは右手ひとつの開閉操作だけでまるでオートマチック車に乗っているようなイージーライディングが許容されてしまうのである。適切なシフト操作に神経を尖らせる必要がない、粘り強く柔軟性に富む出力特性には改めて感心させられた。
ただ、エンジンには十分な余力があるだけに、トップクルージングはもっと高めのギヤで回転数を落として走れた方がより快適に、そしてより長閑な気分でツーリングできると思えたのが少々残念。筆者のような古いライダー目線から言うと、いかにもセローらしい個性的なギヤレシオを誇っていた225の乗り味が懐かしく思い出されたのも正直な感想だ。とはいえ、250の方が“普通”の良さがある。それは多くの幅広いユーザー層にお薦めできることは間違いないのである。
細い小道も難なく走る、軽量&スリムなボディ
買い物程度の足代わりや、自然散策でトレールに分け入る様な時も、軽いスリムな車体の扱いに不安を抱く事は無く、51度も切れるハンドルのおかげで小回りも得意。ガレージの隅など狭い所での出し入れも前や後部両側にあるハンドルバーのおかげで扱いやすい。トランスポーターに積む場合も同様でタイダウンベルトで固定する時にもとても楽だった。
これら多岐にわたる扱いやすさは、エントリーライダーにとって、バイクを扱う基本的ノウハウを知る上でもとても良い。幅広いユーザーにお薦めできる理由はそんな優しい乗り味にも起因しているのだ。もちろんベテランライダーにとっても、パフォーマンスは十分。林道でもグリップ力を頼れるタイヤ等、マウンテントレールの王道ブランドとして相変わらず総合点の高い仕上がりを披露してくれた。
実走燃費は33.2km/ℓ
ツーリングと言っても都市を巡るよりも山や川へ向くことの多いライダーにとって、このセロー250は自然散策へ誘われるバイクとして、非常にバランスの良い仕上がりを実感。
今回のモデルチェンジによって“劇的に速くなった”とか、“車体がスリムになった”といった大きな変化がなかったことは、逆にセローらしさを損なわず、魅力となっているということをお伝えしたい。
なお、今回の試乗は100km足らずだったが、実燃費率は、33.2km/ℓだった。

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