「扱いやすさは変わらず、限界性能がアップ」 【新型YZF-R25】ライポジが変わった? コーナリング性能はどうなった? サーキット走行で見えた真の実力。
- 2019/04/27
- MotorFan編集部

YZF-R25にファン待望の新型が登場。エンジンと車体は従来型を踏襲したマイナーチェンジという位置付けだが、その実はカウルやタンクなどの形状を全面的に見直すことで空力性能を向上。倒立フォークを初採用するなど足まわりも強化されてコーナリング性能もさらに高められている。開発背景を踏まえつつ実走テストによって新R25の実力をチェックしてみた。
REPORT●ケニー佐川(SAGAWA Kentaro)
PHOTO●重松浩平(SHIGEMATSU Kouhei)/山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
ヤマハ・YZF-R25……599,400円~
サーキット性能を向上
YZF-R25は“毎日乗れるスーパーバイク”をコンセプトに2014年にデビュー。R1を筆頭とするRシリーズのエントリーモデルとして若者層を中心に人気を博してきた。その後、CBR250RRやニンジャ250などの強力なライバルの出現。これに対抗する次世代モデルへの期待が高まる中、まさに満を持して登場したのが新型R25である。
250ccスポーツは今やグローバルモデルとしてアジアを中心に世界中で人気が沸騰しているクラスである。生産拠点のインドネシアでも「もっとレーシーにしてほしい」とか「MotoGPマシンレプリカが増しい」という要望が非常に多いという。こうしたファンの期待に応えつつ、従来のR25が持つ扱いやすさや素直な乗り味を追求した結果が今回のマイナーチェンジなのだ。つまり、見た目は思い切りレーシーに振りつつ、中身は基本的に変えない中で最大限にパフォーマンスを引き出していく。そこで取り組んだ2019年型の狙いは主に3つに集約される。
まず徹底的に空力を追求した。MotoGPマシンのM1を思わせる精悍なフロントマスクはカウル形状を全面的に見直し、スクリーンもレーサー形状にするなどCD値を7%向上することで最高速度を8km/hアップ。2つめはコーナリング性能の向上だ。具体的には倒立フォークを新採用することで、ブレーキングからコーナー進入時でのフロントまわりの剛性感や接地感を格段に高めている。想定しているのはサーキットレンジでの戦闘力アップで、タンク形状を改めハンドル位置も下げることで旋回中のライダーのホールド感も高めている。そして3つめは高級感だ。新採用のフル液晶メーターには精密なバーグラフ式タコメーターを採用し走りのエキサイトメントを演出。ヘッドライトも今回からLED2眼タイプが採用されるなど、よりスポーティに洗練されている。
ちなみに開発者の話では、従来のR25がストリートとサーキットの比重を「5:5」とすると、新型では「3.5:6.5」程度にイメージしたということだ。
コーナーでより突っ込める
低く構えた眼光鋭いフロントマスクやM字型ダクトなど、R6やR1につながる正統派スーパースポーツルックは文句なくカッコいい。このスタイルを待っていたというファンも多いと思う。R25本来のしなやかな乗り味やスムーズで扱いやすいエンジン特性はそのままに、走りはよりスポーティさを増している。乗ってすぐにしっくりくる感じ、ライダーの感性に寄り添う感覚はヤマハならではだ。
ライポジはハンドルが22mm低くなったが違和感はなく、サーキットでは逆にピタッと決まる。倒立フォークが採用されてフロントまわりに剛性感が増したことで思い切ってブレーキングできるし、コーナーに向けての倒し込みでもフロントの接地感が増して安心して飛び込んでいけるようになった。従来よりも明らかに高い速度で進入できる気がするのだ。タンクも20mm低くなったことでストレートでも上体を伏せやすく、またエッジ部分が張り出した形状になっているため、ハングオフしたときに肘や外ヒザでタンクをホールドしやすい。結果、マシンとの一体感も増している。シフトフィールも非常にスムーズかつ正確でエンブレもきれいに逃がしてくれるのでシフトワークが楽しくなる。
新型R25は元からのユーザーフレンドリーな持ち味は活かしつつ、軸足をストリートからサーキットへと少しだけ移動した感じだ。今回タイムは計測していないが、サーキットでは最新ライバルともいい勝負だと思う。きっとスペック以上の速さを見せてくるはずだ。
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