新型カタナのベースモデルが「GSX-S1000 ABS」です。選ばれた理由はどこにあるのでしょう!? 素性を知れば納得! 「GSX-S1000」が新型カタナの“中身”になったワケ
- 2019/07/07
- 青木タカオ

新型「カタナ」が注目を集めていますが、そのベースモデルとなったのが「GSX-S1000 ABS」です。スズキを代表する機種に、シャシーやエンジンが選ばれる実力の持ち主。大いに気になります、乗ってみました!
REPORT●青木タカオ(AOKI Takao) PHOTO●山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
GSX-S1000 ABS…1,131,840円

「GSX-S1000 ABS」が登場したのは2015年7月のこと。デビューイヤーに2500台を販売して以来セールスは好調が続き、排気量401cc以上のビッグバイク枠では販売ランキングで絶えずランキング5位圏内から外れない人気ぶりです。

低く構えた筋肉質なボディは“狩りをする野獣”をイメージしたスタイル。マッシブでありながらもシェイプアップされ、リッタークラスならではの迫力とネイキッドスポーツの軽快感が同居しています。

心臓部やシャシーはスズキ・スーパースポーツの最高峰「GSX-R1000」譲りの水冷並列4気筒DOHC4バルブ。フルカウルを脱ぎ捨て、ハンドルもライディングポジションが前傾となるセパレート式をやめて、ワイルドなアップハンドルバーに。いわゆる“ストリートファイター”と呼ばれるセグメントです。

サーキットで勝つために生まれた最高峰のハイパフォーマンスを街乗りでも楽しんでしまうという猛々しさはスタイルからも感じられ、戦闘的なフロントマスクであったり、獣が獲物に一直線に飛びかかるような姿勢をフォルム全体で演出しています。

ストリートユースに主眼を置いたことでユーザーからの賛同が得られ、人気カテゴリーとなっている“ストリートファイター”ですが、スズキは“ネイキッド”という言葉もまだ浸透していなかった80年代後半からレーサーレプリカの“ノンカウル”バージョンをリリースし、ストリート向けに提案してきました。
「RGV-250ガンマ」をベースにした「WOLF(ウルフ)250」であったり、「GSX-R250R」をベースにした「COBRA(コブラ)」らがそうです。「GSX-R1100」の油冷エンジンをスチールフレームに搭載しなおした「GSF1200」もその一例でしょう。

スズキはこうしたモデルで実績があり、ファンもいかにエキサイティングであるかを知っています。そして開発陣もまたストリートでは何が求められ、重要な要素とは何かを熟知しているのです。
「GSX-S1000 ABS」の開発にあたっては、そのまま「GSX-R1000」をネイキッド化するのではなく、心臓部をあえて2005〜08年の“K5/K6”エンジンと呼ばれるパワーユニットとしているのです。

決め手は街乗りでの常用回転域で力強いトルクを発揮するロングストローク気味の設計。低中速域がトルクフルで、ストリートユースを考えたときに理想的だと判断し、チョイスしたのでした。
そのうえ、カムプロフィールや吸気ポート、エキゾーストシステムなどを専用開発し、さらに低回転域のトルクを増強させているのですから、その徹底ぶりには頭が下がります。
フィット感と足着き性に優れる

跨った瞬間に、カラダにフィットし、操りやすいことがわかります。ニーグリップしやすいようシート先端とヒザで挟み込む部分がスリムに絞り込まれ、下半身が車体とビタッと密接するのです。

レンサルのファットバーはアップライトで、上体の起きたリラックスしたライディングポジションを生み出し、視野も遠くにも向けられ、街乗りで有利になっています。

そしてシート高は「GSX-R1000 ABS」より15mm低い810mmで、足着き性に優れることも見逃せません。身長175cm、体重65kgの筆者の場合、両足を地面に出すとカカトがわずかに浮く程度です。片足立ちならベッタリで、取り回しにも苦労しません。

新型「カタナ」も「GSX-R1000 ABS」と同じシート高825mmですから、この足着き性の良さは特筆すべき点でしょう。
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