日産セレナe-POWERをホンダ・ステップワゴンスパーダ、トヨタ・ヴォクシーと徹底比較!【ライバル車比較インプレッション】
- 2019/07/31
- MotorFan編集部

ハイブリッドをリードしてきたトヨタが、Mクラスミニバンにこの技術を初採用したのは2014年。それからわずか4年でホンダに続き日産も、より電動駆動を主体とするモデルをこのカテゴリーへと投入し、モード燃費ではTHSⅡを上回るまでに至っている。最新鋭のe-POWERとライバルたちのドライブフィールの違いを探っていこう。
REPORT●石井昌道(ISHII Masamichi)
PHOTO●神村 聖(KAMIMURA Satoshi)/平野 陽(HIRANO Akio)/中野幸次(NAKANO Koji)
※本稿は2018年3月発売の「日産セレナe-POWERのすべて」に掲載されたものを転載したものです。車両の仕様や道路の状況など、現在とは異なっている場合がありますのでご了承ください。

満を持して登場した日産のe-POWERミニバン
日産自動車はゼロエミッション(環境汚染や気候変動への影響がゼロ)、ゼロフェイタリティ(事故や不幸がゼロ)といった将来の自動車のあるべき姿に向けて日産インテリジェントモビリティに取り組んでいる。その中でも2本の柱となるのが「電動化」と「知能化」。電動化に関しては純粋なEVのリーフがすでに二代目となっており、これに使う電気が再生可能エネルギー由来であれば完全なゼロエミッションが成立。知能化が進み、完全な自動運転が完成すればゼロフェイタリティがほぼ達成されるだろう。プロパイロットは自動運転へつながる技術群であり、進化しながら着々と普及しつつある。
セレナe-POWERはその電動化と知能化を、いまの現実的な価格や利便性の中で最大限に盛り込んだモデルであり、それが日本のファミリーカーのボリュームゾーンに投入されたことは意義深い。
Mクラスミニバンであるセレナのライバルはトヨタ・ヴォクシー/ノア及びエスクァイア、ホンダ・ステップワゴンで、これらの販売台数を合計すると年間30万台規模にも達する。それぞれが燃費改善効果の高いストロングハイブリッドを用意し、先進運転支援システムも充実しているのだから日本の自動車市場は極めて先進的なのだと改めて実感する。
充電のいらない電気自動車とも表現されるe-POWERは分類的にはシリーズハイブリッド。エンジンは発電をするためのもので、その電力を使って電気モーターで駆動する。ステップワゴンが搭載するi-MMDと呼ばれるシステムもe-POWERに近似していて、ほとんどの走行場面がシリーズハイブリッドと同様の働きをするが、エンジン直結クラッチを持っていて高速クルージングの一部でエンジンが直接タイヤを駆動する。より効率を高めるための付加システムだ。ヴォクシー/ノア/エスクァイアはお馴染みのTHSⅡを搭載。1997年に発売した初代プリウスからの発展型で20年以上の歴史の中で大きな進化も遂げている。駆動はエンジンと電気モーターの両方を状況に応じてミックスしながら使っていく。それぞれの得意・不得意を高めたり補ったりしながら効率良く走らせる相乗効果を活かす考え方は、これぞハイブリッド。ただし、e-POWERやi-MMDがEVに非常に近いのに比べると、エンジン駆動の割合が主体だという点でずいぶんと異なる。
今回は3台を比較試乗することになったが、気になる燃費性能はセレナe-POWERが26.2㎞ /ℓ、ステップワゴンハイブリッドが25.0㎞/ℓ、ヴォクシーハイブリッドが23.8㎞ /ℓ(ともにJC08モード)。後発のセレナが他を上回った格好だが、大差ないモード燃費をうんぬんしてもあまり意味がないのはご承知の通り。リアルなところは今後、公道でのロングドライブやさまざまな場面を走って計測したり、実際に購入したユーザーのデータがある程度のサンプル数に達したところで判明することになるだろう。だから今回はフィーリングを中心にお伝えするわけだが、ハイブリッドカーのユーザーの多くは運転に慣れていくうちにEV走行(バッテリー走行)がどれだけできるかに価値を感じるようになる。燃費改善効果が高いという理由以上に、エンジンが停止して静かにスムーズに走る電気モーター駆動に快感と新しさを感じるからだ。
NISSAN SERENA e-POWER Highway STAR V



モーター+直列3気筒DOHC/1198㏄
モーター最高出力:136㎰[エンジン:84㎰/6000rpm]
モーター最大トルク:32.6㎏m[エンジン:10.5㎏m/3200-5200rpm]
JC08モード燃費:26.2㎞/ℓ
車両本体価格:340万4160円
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