【Z650試乗】乗り比べてわかった、NINJA650との個性の違い。|カワサキ
- 2019/08/26
- MotorFan編集部

ヨーロッパでは650ccクラスが昔から人気だった。リッターバイクに比べて価格が安く、それでいて十分な動力性能を持っているからだ。だから各メーカーはこのクラスに力の入ったモデルを投入してくる。
そんな中、2000年代前半に投入されたのがカワサキのER-6n。パラレルツインのエンジンをスチールパイプのフレームに搭載。スタイリッシュなデザインで人気になった。
このER-6nをベースに大幅に手を入れて走りの性能を向上させデザインを一新したのが、今回紹介するZ650だ。

カワサキ・Z650……786,240円






ニンジャ650よりも軽快な乗り味
前回紹介したニンジャ650からの変更点はカウルがあるかないかという点とハンドルがパイプハンドル仕様になっている程度。車体やエンジン、足まわりは基本的に同じだから、それほど違いはないだろうと思っていた。
ところがニンジャ650から乗り換えて走り出した瞬間、ずいぶん軽快に加速していくような印象を受けた。車重が軽くなったことばかりではなく、カウルがなくなったことで風が当たるようになったことによる体感的な変化によるものかもしれない。
低中速重視のツインエンジンはデュアルスロットルバルブの効果で、スロットルを開けた時のトルクの出方がリニア。スロットル開け始めは扱いやすく、そこからトルクと出てくる。3000rpmくらいからの盛り上がり方がとても力強くて楽しい。ツインの排気音も心地よい
ストリートを走っているときは、バイクがあまりバンクしないけれど、そんな状態でも、立ち上がりでは低回転からでもスロットル操作だけでリヤサスを沈めてタイヤを押し付けるくらいのトルクがあるから、この回転域を使っていても十分キビキビした走りを楽しむことができる
操る楽しみはZ650 に分がある!
関連記事>>【NINJA650試乗】”開け始めジワッ”のエンジンレスポンスが絶妙に良い!
サスペンションの設定が変更されているのではないかと思うくらいの変わり方で、ブレーキをリリースした時、フロントフォークがスッと伸びる。サスのセッティングも同じということなので、大きなカウルの重さでサスの伸び方向の動きが変化しているわけだ。このフロント荷重が、ハンドリングの違いをとなっているのだ。
何をしても従順なニンジャ650に対して、Z650ではブレーキやバンクさせるタイミングが重要になってくる。通好みの味付けだ。しかしライディングが難しいというわけではない。ライダーがコントロールする幅がニンジャより広がったというくらいに考えておけばいいだろう。
Z650の前モデルER-6nも乗りやすく、良いバイクだったが、どちらかといえばストリートを気楽に走るという感じだった。しかしZ650は、車体や足まわりが見直されて、フィーリングはずいぶん変わっている。
ラジアルタイヤのダンロップスポーツマックスD214の接地感も高く、ホリゾンタルバックリンクとなったリヤサスの動きもしなやか。走りの性能に関しては、相当進化している。
気になった点はニンジャ650と同じ。ミッションが硬いこととシートの形状。前の方が絞られていて、後ろが持ち上がった形状は、自分にはフィットしなかった。もしも自分のマシンになったとしたら、ミッションはアタリがつくまで待ってみて、それでも良くならなかったらオイルなどでミッションフィーリングが変わるか試してみたい。シートに関しては、ある程度の期間乗ってみないと判断はつかないが、しばらく乗ってみて違和感が消えなかったら自分の体型や乗り方に合わせて変更するだろう。
ニンジャ650とZ650で、どちらを購入するか迷っている人がいたとしたら、デザインやカウルの有無だけでなく、走りでも若干の違いがあるということを頭に入れておいて欲しい。ツーリングなどで、あまり操作に気を使わず走りたいのであればニンジャ。対してZ 650は、軽快で、ライダーがマシンコントロールをより楽しむことができる。
もちろん両者同じ車体、エンジン、足まわりだから、その差は大きくはない。どちらのマシンも低中速トルクの太さと走りで、ストリートの走りを思い切り楽しむことができる。そんな魅力的なマシンである。
足つきチェック(ライダー身長179cm)

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