スーパーカブ アーカイブス♯9 【旧型・分解解説つき】スーパーカブ60年の歴史を振り返る(2010年~2019年編)
- 2019/09/12
- MotorFan編集部 北 秀昭

1958年に登場した初代モデル「スーパーカブC100」の登場以来、スーパーカブは丸みを帯びた外観を伝承。しかし2012年、突如、角張ったフォルムにフルモデルチェンジ。カブフリークの度肝を抜いたのも束の間、2017年には再び丸みのある“スーパーカブらしい”外観に変更。前後キャストホイールを装着した新しいコンセプトの「スーパーカブC125」が生まれるなど、スーパーカブにとっては激動の2010年~2019年をフィーチャーしてみた。
PHOTO●岩島浩樹(IWASHIMA Hiroki)
REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
2012年(平成24年) スーパーカブ50/110
「ニューベーシックカブ」をコンセプトにフルモデルチェンジ
2012年3月に110が、5月には50がフルモデルチェンジされた。その姿は、“日本伝統の古き良き"丸目ヘッドライトとは一線を画す、アジアンテイストがふんだんに盛り込まれたもの。
当時、“世界の工場”と呼ばれていた中国で生産されたこのスーパーカブは、価格も大幅に値下げされ、大きな話題を呼んだ。
ヘッドライトは新設計の大型マルチリフレクターを採用。スーパーカブのシンボルでもあるリヤフェンダーは、ボディー体型から別体型に変更された。
110のエンジンは、先代(2009年~)の丸目に比べれば若干パワーダウンしたものの、低フリクションを実現するローラーロッカーアームや、オフセットシリンダーを導入。トルクアップにより、低中速域のさらなる乗りやすさを実現した。
50は110と同様、発進用と変速用の2つのクラッチを備えた「2段クラッチシステム」を採用。オフセットシリンダーも導入され、パワーは3.4PSから3.7PSにアップされている。
2012年型の50と110は、外装、フレーム、足周りがほぼ共通。ただし50・110とも、基本的に2012年型用パーツと先代(2009年~)用パーツには互換性はない。
2012年のスーバーカプは、ココが大きく変わった!
リヤフェンダーは、ボデイー体型の丸みを帯びた形状から、ボディ別体型のシャープなフォルムに変更。ウインカーは、タイカブなどアジア仕様のような、テールランプ一体型ではなく、フエンダー部取り付けの別体型を採用。
リヤ周りは、原付2種に義務付けられた三角マークステッカーの有無以外、50・110ともに共通。テール周りと一体感を持たせたリヤキャリアは、50・110とも縦331mm× 横229mmサイズ。
左側のスインチボンクスは、上からヘンドライトのHI・LOW切り替えスインチ、ホーンボタン、プッシュキャンセル式のウインカースインチを配置。スインチの並びは50・110とも共通。
右側のスインチボンクスは、セルフスターターボタンのみ(キックスターターと併用)。スイッチの位置は50・110とも共通。
2012年のスーバーカプ。50と110はココが違う!
スーパーカブ50のエンジン
スーパーカブ110のエンジン
50と110のエンジン部分。外観上、クラッチカバーやジェネレーターカバーは共通だが、大きく異なるのはシリンダーとシリンダーヘンド。
50と110とでは、シリンダーの冷却フィンの箇所、シリンダーヘッドの形状、シリンダーヘッドカバー(110はシャワーヘッドを装備)がまったく違う。
また、50のマフラーはエンジン下付近にキャタライザーをレイアウト。一方、110はマフラーの中間付近に設置されている。
50は60km/h表示に加え、速度警告灯がある。一方、110は120km/h表示。50・110とも、ニュートラルランプは付いているが、ギヤ位置を示すンフトポイントインジケーターは未装備。なお、当時のタイカブには、シフトポイントインジケーターが装備されていた。
タンデムステップとの干渉を防ぐため、地面とほぼ平行に伸びる110用マフラー。一方、50用マフラーはやや上方を向くレイアウトとされている。
★先代(2009年~)110用マフラーは、2012年型110に装着できる?
フルモデルチェンジによって、フランジの位置とスイングアームのピボットの位置関係などが変わってしまったため、基本的に装着は不可。流用する場合は、マフラー固定部の穴位置変更等の加工が必要となる。
50・110とも、100mm付近が限界点だと推測できる。
フロントフォークはインナー径Φ26のため、スクーターなど他車用フォークも流用できる可能性あり。なお、50のタイヤ幅は60mm(60/100‐ 17)、100は70mm(70/90-17)。ノーマルステムの場合、タイヤ幅は50・110とも、100mm付近が限界点であると予測。
110には、スイングアーム部にタンデムステンプが付く。リヤシヨンクは50・110とも長さ345mm(編集部実測値)。
なお、2012年型110用スイングアームは、先代(2009年~)110用よりも10mm程度延長されている。※寸法はすべて編集部による実測値。
2012年モデルと前モデルの主要諸元比較

NEWスーパーカブ50/110(2012年モデル)の細部をチェック!
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