【東京モーターサイクルショー2018レポート】 次世代を担うスクーターが気になる!「PCXハイブリッド」と「PCXエレクトリック」
- 2018/04/11
- MotorFan編集部
今年3月に開幕された東京モーターサイクルショー2018のホンダブースには、年内に市販予定とされているPCXハイブリッドとPCXエレクトリックが展示されていた。日本メーカーのスクーターとしては初となる最新機構が盛り込まれたこれらの2台をくまなく解説していこう。(PHOTO&REPORT:阿部哲也)
ホンダは先日、大ヒットスクーターのPCX、およびPCX150を3代目へフルモデルチェンジし、PCXを4月6日に、PCX150を4月20日にそれぞれ発売すると発表した。しかし新型PCXにはまだバリエーションが存在する。国内メーカーの二輪車初のHVスクーターであるPCXハイブリッドと完全電動のPCXエレクトリックの2台だ。両車は2017年秋の東京モーターショーで披露されたこともあって、記憶に新しい方も多いだろう。
エンジン+αのパワーで加速力を高めるハイブリッド
PCXハイブリッドは、一般的なハイブリッド自動車と同じくエンジンを電気モーターがアシストする仕組みとなる。パワーユニット自体は従来通りのeSPエンジンを使用。ハイブリッドだからといってガラリとエンジンまわりを変えているところはない。なぜならばeSPエンジンには交流発電機「ACG:AC Generator」が採用されており、これをアシストに用いることが可能だからだ。具体的には、ACGの出力を増大(12V→48V)させることで、エンジンをアシストする「マイルドハイブリッド」を採用している。また、モーターが48Vになったことで、従来のバッテリーとは別にリチウムイオンバッテリーも追加搭載することになった。
PCXをハイブリッド化するメリットの一つに、加速の向上が挙げられる。従来のCVTによる変速では、アクセルを開けてから実際に加速するまでどうしてもワンテンポ遅れてしまうが、その部分を電気モーターがアシストすることで、よりリニアな加速が手に入る。特に坂道など負荷の大きな場面での加速時に有利に働いてくれる。また、エンジンそのものも高回転域でのパワーが高められているとのことで、なおのこと走りが楽しみだ。また、従来のガソリン仕様車の燃費は、50.7km/L(WMTCモード)とかなり優秀だが、PCXハイブリッドでもその優れた燃費性能は保たれているという。エコロジー面もバッチリだといえるだろう。
ホンダ初となる2種クラスの電動スクーター
一方のPCXエレクトリックはその名の通り100%電気で動くEVスクーターである。気になるのは、やはり航続距離だろう。具体的な数値こそ示されていないが、ホンダは「一回の充電での距離を伸ばしました。通勤や街乗りでは問題ないレベル」としている。
ちなみにホンダはかつて、業務用として「EV-neo」をリース販売。EV-neoはベンリィ系の車体に定格力0.58kWのモーターを備えており、30分で満充電(急速充電時)となることが大きな魅力であった。しかし、航続距離が34km(30km/h定地走行)と短かいのがウイークポイントとなっていた。
PCXエレクトリックは、大きなリチウムイオンバッテリーを2基搭載。EV-neoよりも航続距離が伸びていることは間違いないだろう。それに先の言葉を組み合わせれば、相当な距離を走ると期待してもいいだろう。ちなみに本誌では一回の充電で100km程度は走るのではないかと予想している。
PCXエレクトリックの充電方法は2通り。エンジン仕様車でいうフューエルリッドの部分に100V用のプラグが格納されており、そのプラグを介して直接充電する方法がまずひとつ。もうひとつの方法は、バッテリーを取り外して、専用充電器が備え付けられたバッテリーステーションで、充電済みのバッテリーと交換する方法だ。専用充電器を介して複数のバッテリーを入れ替えれば充電時間は短縮できるが、家庭への導入は難しいだろう。一般的には車体に備え付けられた100Vプラグをコンセントに接続することになるだろうが、そうすると満充電まで要する時間は非常に気になるところだ。
搭載するモーターはDCブラシレス。原付二種に相当する定格出力0.98kWを発揮する。リチウムイオンバッテリーは、本来はエンジンが搭載されている部分にまとめて配置。マスの集中に特化しているので安定感は高いと思われる。
また、リヤショックが従来よりのもの延長されていたり、シートのクッションの厚みも増すなど快適性も改善。ホンダは「EVを特別なものではなく。普通に使えるものにする」と宣言。ホンダの市販EVスクーター第1弾の実力がどんなものか、発表が楽しみだ。
なお発売日に関しては、PCXハイブリッドは8月頃、PCXエレクトリックは秋頃と一部ではささやかれている。いずれにしても、今年中の発売はまず間違いないだろう。
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