強力なライバルに対抗できるか？マイルドハイブリッドも装備した六代目スズキ・ワゴンR

2017/05/01
Motor Fan illustrated編集部

2017年2月にフルモデルチェンジを受けたスズキ・ワゴンR。近年、軽自動車の販売実績で大苦戦中(16年度は9位)のスズキ。ホンダN-WGN、ダイハツ・ムーヴに対抗する主力モデルの完成度はいかに？

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新型ワゴン R は、パワートレーンも 3つ用意される。アイドリングストップを 装着しない自然吸気、 I S G( モーター機 能付発電機 ) を搭載し、アイドリングストップやモーターアシストを行なうマイルドハイブリッド、そしてマイルドハイブリッドをベースにしたターボモデルとなる。

宿敵ホンダ・N- WGN、ダイハツ・ムーヴに対抗し、王座奪還を狙うべくして登場した六代目となる新型ワゴンRはまさにスズキ入魂のモデルとなる。その意気込みはラインアップを見れば一目瞭然。異なる3つの個性的なデザインのエクステリアに加えて、主力グレードには軽自動車唯一となるスズキお得意のマイルドハイブリッドを採用した。これは肝となるISG (モーター機能付き発電機)の高出力化とリチウムイオン電池の大容量化を受けた進化版。結果、発進から約100km/hまでの速度域で最長 3 0 秒のモーターアシストをしてくれるとともに、約13km/h以下のアクセルオフ状態ではモーターだけで最長 1 0 秒間のクリープ走行が可能だ。加えて、数々の低燃費技術の結集で33.4km/l(HYBRID FZ) という軽ワゴンNo.1の低燃費を実現した。

新マイルドハイブリッドは ISG の最高出力/最大トルクが S- エネチャージの 1 . 6 k w / 4 0 N m から、2 . 3 k w / 5 0 N m へ向上。さらに、リチウムイオンバッテリーの容量が3Ah から10Ah に増強された進化版。最大トルク値 0.3kgm ほど落ちるがこれは実用域のトルクを上げたため。JC08 モード燃費は 0.4km/ l向上して 33.4km/l(HYBRID FZ)となった。

他にも、室内空間の最大化、HUD、DSBS、ハイビームアシストといった安全装備の採用など、「軽ワゴンNo.1」「(スズキの)軽初採用」といった話題となる技術もぎっしり詰め込まれている。これも女性から趣味性の高いクルマとの2台持ちを考える男性まで、予想されるターゲット層を全方位で取りこぼさないようにしたスズキの強い意欲を感じる。ナナメに見ると「コンセプトがない「」必死すぎる」と揶揄されがちだが、購入者からすれば選択肢が広がり、自分の好みや使用用途によってチョイスできるのだから嬉しい限り。だからと言って、競争の激しいハイト系ワゴンのカテゴリでトップに返り咲くのは容易ではないが、スズキの本質を追求する技術革新は評価されるだろう。