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SUZUKI SV650X Impression from Editor's room クルマ好きたちよ、今こそバイクに乗るべし〈スズキSV650X試乗記〉

  • 2018/12/23
  • MotorFan編集部 小泉 建治
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開けた瞬間にタイヤが路面を蹴り上げる

 エンジンは、クルマと同じようにワンプッシュで掛けることができる。バイクの場合、フツーはエンジンが掛かるまでスターターボタンを押し続ける必要がある。クルマで言うと、昔ながらのキーを回して掛けるタイプと同じだ。ところがSV650Xが採用している「スズキイージースタートシステム」であれば、クルマのプッシュボタン式と同様にエンジンが掛かるまで自動でスターターモーターを回し続けてくれるのだ。

 些細な話と思われるかも知れないが、オーナーになればこういう心遣いは身に沁みてありがたいはず。さらに言えば、何十年もクルマにしか乗ってこなかったリターンライダーにとって再びバイクに乗るという行為にはさまざまなハードルが立ちはだかるわけで、こうした細やかな装備によってそのハードルが少しでも低くなるのであればそれに越したことはない。

メーターはフル液晶デジタル。シフトインジケーター、燃料計、燃費計、時計など、一般的に必要と思われるものはすべて備わっている。
左側にはパッシングスイッチ、ヘッドライトのハイ&ロー切り替え、ウインカー、ホーン、ハザードスイッチが備わる。
右側にはキルスイッチとスズキイージースタートシステムのプッシュボタンが備わる。極めてオーソドックスな配置だ。

 アイドリング音はいかにもVツインらしくパルス感が強い。そこからクラッチをつなぐと、またしてもスズキの細やかな配慮に心を打たれる。ローRPMアシストという機能によって、発進時のエンジン回転の落ち込みを抑え、エンストしにくくしてくれるのだ。近年、クルマには珍しくない機能になってきたが、二輪ではSV650やSV650Xが初めてではないか。これもまた、初心者やリターンライダーに対する技能的、精神的なハードルを下げてくれるだろう。

 低回転域における鼓動はツインならではのもので、信号待ちをしている間ですら笑みが絶えない。かといってドゥカティに代表される欧州勢のように極低速域でギクシャクすることもないからビギナーでも安心だ。もちろんドゥカティにはドゥカティの良さがあり、あれくらいの主張がないと面白くないと感じるファンも多いだろう。

 そんな力強い鼓動も5000rpmを越えたあたりからスムーズに収束し、レブリミットの1万rpm強まで一気呵成に吹け上がる。パーシャルからアクセルをガバッと開けたときのトルク感が凄まじく、4気筒のスーパースポーツがエンジン回転の上昇とともにパワーを炸裂させるのに対し、こちらは開けた瞬間にタイヤが路面を蹴り上げる感覚で、快感の種類がまるで違う。

 不等間隔燃焼はライダーがトラクションを感じやすい───バイクが好きな人ならば聞いたことのあるフレーズだろう。SV650Xに乗ればその意味するところがよく理解できるはずだ。

フロントブレーキはダブルディスクで、キャリパーは片押しの2ポット。
ノーマルマフラーでも迫力のあるVツインサウンドを堪能できる。
特徴的なVツインエンジンとトラスフレームが美しい。バイクの根源的な機能美を感じる部分だ。
左側はラジエーターホースや補機類によってフレームの一部や後ろ側バンクが少し隠れてしまう。

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