4気筒ならではの小気味良い吹き上がりが、とてもエキサイティング 【ホンダCBR650R試乗 】街に、峠に、高速も! ついつい血が騒ぐエンジンの咆哮に、やはり4気筒はイイと深く頷いてしまった。
- 2019/05/25
- MotorFan編集部 近田 茂

ミドルクラスの4気筒エンジン搭載車は今や貴重な存在に。そんな中ホンダはCB400スーパーフォアも含めて頑張っている。今回のCBR650Rは、フルフェアリングをまとったスーパースポーツである。真っ向ライバルはカワサキNinja ZX-6R……は言いすぎだろうが、ホンダはストリートモデルとしてのわきまえを備えた仕上がりが印象深い。
REPORT⚫️近田 茂(CHIKATA Shigeru)
PHOTO⚫️山田俊輔(YAMADA Shunsuke)
ホンダ・CBR650R(マットバリスティックブラックメタリック)……1,036,800円
ホンダ・CBR650R(クランプリレッド)……1,069,200円




ウェッジシェイプなラインを基調にデザインされたフルフェアリングは、サイドビューからフロントマスクにかけての造形がなかなか精悍。いかにも走りそう。
ご存知とは思うが、基本的にはエンジンも車体もNeo Sports Cafe Conseptで開発された新世代CB650Rと共通。しかしCBR650Rはそのネーミングに相応しく、ご覧の通りアグレッシブなスポーツバイクである。
プレスリリースには、「エキサイティングな走りの堪能」、カタログには「Rを、堪能する。」とある。従来モデルと比較するとマスの集中化や車体の軽量化を徹底して開発。市街地はもちろん郊外や峠道まで公道での運動性能向上が図られた。
ステップ位置が少し高く後退しハンドル位置は少し低く前進。ライディングポジションは上体が前傾ぎみとなりスポーティな度合いが増しているのである。
注目の4気筒エンジンは、バルブまわりを一新。ピストン形状も変更され、吸排気系も専用チューニング。特に新気供給への影響が大きいダウンドラフトタイプのエアクリーナーボックスを変更。フロントカウルに設けられたツインラムエアダクトによる充填効率追求も相まって、エアクリーナーの内圧向上を果たしている。つまり吸入空気流量が促進されるのだ。
排気系は、4本が美しく整列するエキゾ-ストパイプ径をφ35~38mmに拡大。ショートアップの右出しマフラーは、テールパイプを少し上に向けてフィニッシュし、エキサイティングな直4サウンドがライダーに心地よく届くようにも配慮されている。
アグレッシブな雰囲気と快適性をもたらすフルカウル
幅もスリムなセパハンを握ると上体が少し前傾し、いかにもスポーツバイクらしいライディングポジションだ。バックステップを踏ん張る下半身を始め、腹筋と背筋をバランスさせて上体を安定させる操縦感覚は乗る事それ自体がエクササイズになる。
少し長めの信号待ちでは、ハンドルから両手を離して上体を起こして待機する事もあるが、前傾姿勢はそれほどきつい(辛い)わけではなく、程度問題としてストリートスポーツモデルとしてのわきまえがある。
高速クルージングでは、前方からライダーを襲う風圧とうまくバランスし、カウルのエアロプロテクション効果もあって、むしろ快適に走れるのも印象深い。
そしてS字の切り返し等、コーナリングではライダーとマシンとの一体感をもてる乗り味と素直でリズミカルな操縦性がエンジョイできるのである。
アシストスリッパー付きクラッチは操作が軽く、小まめなシフトワークも楽しさが増す感じ。発進時にはクラッチミート直前にアイドリングが自動的に100rpmほど高められるのでエンストする心配も少ない。
そして何よりも、マルチエンジンらしい小振りなピストンが皆力を合わせて一生懸命スピーディーに往復運動をする事で本格的な仕事をし出す(高トルクを発揮し出す)7000rpm付近からの噴き上がり感は最高に気持ち良い。
出力特性としては3500rpmあたりからもりもりと有効トルクが膨らみ、さらには1万回転オーバーの世界へと一気に飛び込んでいく様はまさにエキサイティングである。
ステアリング切れ角の関係で小回りUターンが若干苦手な事を除けば、動力性能も扱いやすい操縦性もCB650Rと大差はない。日常的な足としても活用するならCB650Rの方が柔軟性がありお勧めかもしれない。
しかしサンデーライダーが非日常を楽しみに、お気に入りの峠までひとっ走りする様なシーンでは、CBR650Rの方が気分をリフレッシュできる度合と魅力が大きいのである。
●足つきチェック(ライダー身長170cm)

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