今なお職人の手によって造られるモーガンの魅力を探る 82年間変わることなく製造されてきたイギリス車、モーガン4/4の走りとは?
- 2018/08/02
- GENROQ編集部
英国で1909年に産声を上げたモーガン・モーター・カンパニー。トネリコアッシュ材とアルミを使用したボディにパワートレインを搭載する昔ながらのハンドメイドに拘ったスポーツカーメーカーだ。モーガン社史上、最も息の長いモデルである4/4を味わった。
REPORT◎吉田拓生(YOSHIDA Takuo)
PHOTO◎市 健治(ICHI Kenji)
趣味的なクルマの世界に精通している人であれば、英国の伝統的なスポーツカーメーカー、モーガンの名前くらいは聞いたことがあるだろう。「木でできているクルマ」などと言われることもあるが、正確を期するならばボディ構造の一部に木骨が使われており、シャシー自体はスチール製のハシゴ型、ペリメーターフレームを基盤としている。
1912年に創業したモーガン・モーター・カンパニーは元々スポーティな3輪車を製造するメーカーだった。そんな同社が1936年に製造を開始した初めての4輪車が、今日まで82年もの間フルモデルチェンジされることなく製造が続けられてきた4/4(フォーフォー)である。車名は4気筒エンジンを搭載した4輪車を意味している。
モーガンのスポーツカーは今日もなお職人の手作業によって製品が生み出されており、これ以上ないほどにクラシカルな見た目によって熱狂的なファンを持ち続けている。すべての自動車メーカーが外資に買われてしまったと言われる英国の中で、モーガンは唯一独自の資本で運営しているメーカーでもあるのだ。
搭載されるエンジンは、かつてはトライアンフやローバー、そしてフィアット製を搭載していた時期もあったが、英国フォードのエンジンとは縁が深く、現在の4/4も1.6ℓのフォード製エンジンを搭載する。
一方シャシーは、フロントがスライディングピラーと呼ばれるモーガン独自の形式が誕生当初から採用されている。リヤは一貫してリジッドアクスルが用いられ、走りのテイストが継承されているのである。
だがモーガンは機構的な部分よりも、そのクラシカルな風体や木と革で造られた職人仕事による英国テイストに注目が集まりやすい。実際にフルオープンにした状態のインテリアには、英国車好きという枠を越え、広く英国趣味を嗜む多くの人を虜にする雰囲気で満たされている。今どきのスーパーカーにはTシャツ短パンで乗れても、モーガンには然るべきファッションで臨みたくなるという人が多いのも納得がいく。
現行4/4の最高出力は112psに過ぎないが、しかし車重も800kgに満たない。この値に最も近いクルマが初期のロータス・エリーゼだといえば、その速さにも納得がいくはず。一方キングピンに沿ってアップライト部分が上下するスライディングピラー・サスペンションは元々ショートストロークが売りだし、エンジンはこれ以上ないほど完璧なフロントミドシップとなっている。サブフレームやゴムブッシュといった緩衝材がないお陰で路面の凹凸に出くわすと粗野な振舞いを見せるが、本質的には感度の高い、速くて当然のスポーツカーなのである。
日本では英国コスプレの道具として重宝されている感が強いモーガンだが、彼の地では目の覚めるようなテールスライドでサーキットを駆け抜ける永遠のドライビングマシンであり、今なお一切の電子制御に頼らない純粋なスタンスは、現代ではモーガンだけの長所といえる。
今回、日本におけるモーガンの正規輸入代理店が、ライトウエイトスポーツカーを得意とするエスシーアイに替わり、拠点の数も増えている。より親しみやすくなった英国の古豪に改めて着目してみてほしい。
※本記事は『GENROQ』2018年8月号の記事を再編集・転載したものです。
SPECIFICATIONS
モーガン4/4
■ボディサイズ:全長4010×全幅1630×全高1220㎜ ホイールベース:2490㎜ トレッド:F1222 R1384mm ■乾燥重量:795㎏ ■エンジン:直列4気筒DOHC ボア×ストローク:79.0×81.4mm 総排気量:1595cc 最高出力:82kW(112ps)/6000rpm 最大トルク:132Nm(13.4㎏m)/6000rpm ■トランスミッション:5速MT ■駆動方式:RWD ■サスペンション形式:F独立スライディングピラーRリジッド ■ブレーキ:Fディスク Rドラム ■タイヤサイズ(リム幅):F&R165/80R15(5J) ■パフォーマンス 最高速度:185km/h 0→100km/h加速:8.0秒 ■車両本体価格:766万8000円
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