塚本奈々美のニュルブルクリンク24時間レースチャレンジ~その2~「VLN第6戦で見えた大きな課題とは?」
- 2018/09/06
- HYPER REV編集部

2019年のニュルブルクリンク24時間レースへの参戦を表明した塚本奈々美選手。
8月18日に開催されたニュルブルクリンク耐久選手権(VLN)第5戦(6時間耐久)に続き、9月1日にはVLN第6戦(4時間耐久)に参戦した。
なぜこんな短期間にニュルブルクリンクでの耐久レースに2度参戦したのだろうか。
レースを無事終えて帰国した塚本選手に話を伺った。
塚本:今回も、ニュルブルクリンク北コースが本当に大変なコースだということを改めて思い知らされたレースでした。
--結果はどうだったんですか?
塚本:無事3位で完走させていただきました。
--すばらしいじゃないですか!
塚本:前回にもお話ししましたが、ニュルブルクリンク24時間レースに参戦するには、ニュルブルクリンクでの走行ライセンスであるパーミッションAを取得していなければなりません。パーミッションAを取得するためには、VLNで完走し、クラス上位70%に入り、かつ、レース中の走行が合計で18周以上なければなりません。
--なかなかのハードルですね。
塚本:そのパーミッションAを獲る以前に、VLNに出るためのパーミッションBを前回のVLN第5戦の直前に取ったのですが、これも難しい座学とテストをクリアして、ニュルでのレースを安全かつ正確に走行するための実車実習もクリアしなければなりませんでした。
--前回も、パーミッションBを獲れたのは奇跡的だとおっしゃっていましたよね。
塚本:もう、本当に奇跡です。これも、前回に引き続き今回も本当に良いサポートを行なっていただいた、REVELチームと現地のRing Racingさんのおかげです。彼らがいなければ、絶対に今回も11周を走り切るというのは無理だったと思います。本当に勉強させていただきました。

塚本:今回勉強になったのは、同乗ですね。フリー走行のときに同乗走行が認められているのですが、今回は、Ring Racingのベテランドライバーのウヴェ・クリーンさんの助手席に同乗させていただいただけではなく、なんと私の助手席に同乗していただいて、走り方を指導していただき、鍛えていただきました。
そして、レースもドライバーは私とウヴェさんの2人体制で走らせていただきました。
--ということは、必然的にひとりあたりの周回数も多くなりますね。
塚本:そうです。なるべく私がパーミットAを獲れるように他チームが3人で参戦するところを私たちは2人で戦い、私の周回数がなるべく多くなるようにしていただきつつ、でも3位で完走しなければならないので、責任も重大でした。そうした条件のなか、
無事ワタシは11周・2時間を走りきり、ピットイン1回作戦も功を奏して、8月のデビュー戦に続く表彰台となる3位でゴール。
本当に、準備も体制も良かったし、ペアを組んでいただいたウヴェさんには感謝しかないですね。よく私の助手席に乗ってくださいました。(笑)
--確かにレーシングドライバーとして活躍している塚本さんとはいえ、ニュル超初心者の助手席に乗るというのは勇気がいると思います。
塚本: 続いてウヴェさんの助手席に乗せてもらい、隣で答えを見ることができたのは、1周だけでも何周分もの価値になると、他のみなさんも言ってくださいました。
塚本:前回乗せていただいた86でのレースでしたが、コースにはまだまだ慣れないですね。自己ベストは出せましたが、目標としてるタイムにまだまだ届いていないです。地元勢の皆さんの走りをみていると、誰が走っても安定したタイムを出しているので、今回のレースでも不安要素は私しかない。。。前回のレースを終えてから、日本でしっかり準備をしたつもりではいたんです。2時間、ニュルを走りつづけるシミュレーターでのトレーニングもしてきましたが、なかなか一筋縄ではいかないですね。悔しいです。
--タイムはいかがでしたか?
塚本:他のクルマが9分50秒~10分くらいをレースラップとして刻んでくるなかで、私は一番よくても10分に入るくらい。前回よりも10秒くらい縮まったくらいですね。怖いコーナーは、どうしても怖いんです。悩まされたのはタイヤカスを拾ってしまう問題ですね。140 台という参加台数があるなかで、レコードラインを走っていてもタイヤが汚れてしまうんです。ジャンプして着地したところがタイヤカスだらけだったり。速いクルマが迫ってきて少しラインをずらすと、もっとタイヤカスを拾ってクルマが不安定になり、そうした状況になると苦手なコーナーはどうしてもだめでした。
--それは厳しいですね。
塚本:一度タイヤカスを踏んでしまうと、これが全然取れないんですよ。フィーリングでいうと、タイヤカスがタイヤの表面でグニュグニュしているかんじ。グランプリコースを走っていても、なんでもないコーナーでもリアが出たりするんです。一歩間違えるとすごく大きなミスになりそう。
--ニュルを走るうえでの大きな問題ですね。
塚本:でも、それがウヴェさんのタイヤにはピックアップが全然ついていないんです。なるべく色々と対策を考えながら走ったのですが、タイヤマネジメントが良くなかったのか、私は今回は克服できませんでした。ウヴェさんのほうがスピードが高いから、コーナリング中にタイヤカスがとれてしまうのかもしれませんね。私がレベルアップできていないからかな……。
--とはいえ、そうした問題を克服していくこともチャレンジですね。
塚本:そうですね。NOVELの渡辺さんからも、練習方法のアドバイスをいただいています。REVELさんも本当に良いサポートをしていただいていますので、次、頑張りたいですね。
--次のニュルの予定は?
塚本:規定周回数をクリアできたので、現在パーミッションAを申請しています。この結果に関わらず、10月6日のVLN第8戦に参戦させていただく予定になっています。
★ ★ ★ ★ ★ ★ ★
難攻不落のニュルブルクリンクの壁にあたっている塚本奈々美選手。24時間レース参戦に向けたライセンス取得条件もクリアしたということで、いよいよ来年6月のニュルブルクリンク24時間レース参戦が見えてきた。
モーターファンは引き続き塚本選手の挑戦を応援していきたい!

|
|

自動車業界の最新情報をお届けします!
Follow @MotorFanwebフランクフルト・モーターショー2019

ついに来た! 新型ランドローバー・ディフェンダー降臨! Gク...
- 2019/09/10
- ニューモデル

〈新型ランドローバー・ディフェンダー〉新着写真続々! Gクラ...
- PR
- 2019/09/12
- ニューモデル

ホンダの100%EVモデル「Honda E」市販車がデビュー! 約348...
- 2019/09/10
- ニューモデル

コンセプト4は4シリーズの未来形!? BMWの超攻撃型デザイン現...
- 2019/09/10
- ニューモデル

フォルクスワーゲンの小型EV「ID.3(アイディ.3)」デビュー...
- 2019/09/10
- ニューモデル

「AI:Trailクワトロ」はアウディの示す近未来EVオフローダー...
- 2019/09/10
- ニューモデル
マツダ3特集

マツダ3セダン「間違いなく、いまもっとも美しいセダン!」 ...
- 2019/09/10
- インプレッション

日本仕様のSKYACTIV-Xは、なぜハイオク仕様で圧縮比15.0なの...
- PR
- 2019/09/09
- トピック
「マツダは裏切らない」実用性を失うことなく美しいデザイン...
- 2019/09/06
- コラム・連載記事
マツダ3 ファストバックXD:600km走ってその完成度は? 燃費...
- 2019/08/26
- インプレッション
マツダ3、人気のカラーは? パワートレーンは? ファストバ...
- 2019/08/29
- ニュース
マツダ3 ファストバックXD:vs VW ゴルフ 走り慣れた都内の...
- 2019/08/28
- インプレッション
ジムニー特集
関東屈指のロングダートを制覇せよ! 秋鹿大影林道&万沢林道...
- 2019/08/17
- コラム・連載記事
スズキ・ジムニーとジムニーシエラでダート走行の燃費を計って...
- 2019/08/09
- インプレッション
スズキ・ジムニーシエラを測って測って測りまくる。高さは? ...
- 2019/08/14
- コラム・連載記事

結局、スズキ・ジムニーのリジッドアクスルは何がスゴイのか?
- 2019/07/01
- ニューモデル
オービス対策‼ 交通取締情報局

移動オービスは何km/hオーバーで光る? 最低検挙速度独断検...
- 2018/11/11
- TOPICS
みんながオービスと見間違えちゃうNシステムの怖さを検証!...
- 2017/10/02
- TOPICS

スピード超過が事故につながる首都高速道路のオービスポイン...
- 2019/09/10
- オービス情報
令和2年、ついに「あおり運転」の罰則も強化へ! どうなる!? ...
- 2019/09/08
- TOPICS