手動クラッチや5馬力エンジンで当時の若者に大人気 スーパーカブ界の異端児「スポーツカブC110」に乗った! “HONDAism”は当時から健在です
- 2018/11/05
- MotorFan編集部
1958年(昭和33年)、初代スーパーカブC100が発売。その2年後の1960年(昭和35年)、完全新設計のプレスバックボーンフレームを採用した「スポーツカブC110」が登場し、多くの若者に支持された。貴重なスポーツカブC110の詳細や試乗レポートをお届けしよう。
REPORT●北 秀昭(KITA Hideaki)
RIDING IMPRESSION●近田 茂(CHIKATA Shigeru)
撮影協力●ホンダコレクションホール/ホンダモーターサイクルジャパン
PHOTO●ホンダモーターサイクルジャパン/近田 茂
スーパーカブのスポーツモデル「スポーツカブC110」
ホンダの50ccにおいて、スポーツカブは初のスポーツモデル。エンジンはスーパーカブC100系の空冷OHV単気筒をベースに、ハイパワーを引き出すハイカムシャフト、冷却効果の高い大型フィン付きアルミ製シリンダー、高圧縮型ハイコンプピストン(圧縮比は8.5から9.5にアップ)を採用。
ミッションはギアレシオを見直した手動クラッチ式の3速(1964年にスポーティーな4速へと仕様変更)などを導入し、スポーツ性能を大幅に向上させているのがポイントだ。
最高出力はスーパーカブC100の4.3ps/9,500rpmから5.0ps/9,500rpmに向上。キャブレターはC100のダウンドラフトタイプからサイドドラフトタイプに変更。当時のスポーツモデルに多用されていたロングタイプのマニホールドを導入し、吸気効率に工夫を凝らしているのも特徴だ。
バーハンドル、セミダブルシート、ニーグリップが可能なラバー付きの大型6Lガソリンタンク、スクランブラー風のアップ型マフラーなど、当時のスポーツモデルの定番アイテムを積極的に採用し、スポーティーなフォルムを獲得。
17インチのスポークホイールやドラムブレーキを採用した前後の足周りは、基本的にスーパーカブC100と共通。しかしその走りは非常に攻撃的で、最高速は85km/hをマーク(カタログ値)した。
パワフルなエンジン、スポーティーな外観、マニュアルクラッチなどを採用したスポーツカブC110は、若者を中心に高い人気を獲得。現在では超お宝バイクとして、程度の良い車両は高額で取り引きされている。
スポーツカブC110の走りは如何なるものなのか? 当サイトでもおなじみのジャーナリスト・近田 茂氏にレポートしてもらおう。(以下、近田氏)
ニーグリップラバーを装備したタンクを膝で挟むスポーツカブC110のライディングスタイルは、当時、本格派オートバイへ誘う上で格好のワンステップになった。
実用性を重視したバイクがほとんどだった当時、スポーツカブC100は「トーハツランペット」等と共にスポーツバイクを牽引。
プレスバックボーンフレームに搭載のエンジンは、基本的にスーパーカブC100と同系だが、手動クラッチを採用。ミッションも後に3速から4速に変更された。
当時のミッションは3速が定番で、他の4速採用モデルはスズキのセルペットぐらい。スポーツカブC110は(カブも同様だが)、1万回転近く回る高回転型エンジンとして注目を集めた。
当時の走りを思い出してみると…。俊敏な2ストロークエンジンと比較すると、乗り味はトルク不足が否めず加速は穏やかだったが、高回転域を駆使すると侮れないパフォーマンスを発揮し、それが非常に楽しかった。
エンジンンの伸びの良さにも圧巻。ジワジワと速度が乗り、ストリートでは加速で先行する2ストローク勢を抜き去ることができた。
コレクションホール裏にあるコースでは、残念ながらそんな走りを再現することはできなかったが、各ギヤの守備範囲が広い伸びの良い出力特性は、とても気持ちが良い。
エンジン回転がどこまでも上昇していく様は、まさにホンダ車らしい魅力的な乗り味。そしてユーザーを魅了した軽く素直な操縦性も健在だった。(近田 茂)
■主要諸元
全長×全幅×全高:1,950mm×565mm×905mm/エンジン形式:空冷4スト単気筒OHV49cc/ボア×ストローク:40mm×39mm/最高出力:5.0ps/9500rpm/最大トルク:0.39kgm/8000rpm/圧縮比:9.5:1/ミッション:手動式クラッチ3段リターン(後に4速化)/最高速度:85km/h/タイヤ:前後2.25-17/重量:66kg/価格:5万8000円(発売当時)
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