1.3ℓなのに爆音! 60年代のレーシングカー”ダイハツP-5”が走った!
- 2018/11/12
- CAR STYLING編集部 松永 大演

2018年11月10日。場所は滋賀県にあるダイハツのテクニカルセンター。ここではダイハツ技術会の記念イベントが開催されていた。そのなかで発表されたのが、完全にレストアを完了した往年のレーシングカー“ダイハツP-5”だった。
なんだ10位かと思ってしまうところだが、同じグリッドに並んだのは、日産R380、トヨタ7、ポルシェ906という錚々たる名門たち。
それもトヨタ7が3ℓ V型8気筒/330ps、R380が2ℓ直列6気筒/220ps、ポルシェ906が2ℓ水平対向6気筒/210psという中で、ダイハツP-5は直列4気筒、わずか1.3ℓの140psというエンジンを搭載。
こんな小さなエンジンで、世界を相手にし、そして総合10位で完走して見せたのだ。
そんな破天荒な、と考えるところだがダイハツにはこれまでP-1から始まるレース参戦で培ってきた技術があり、軽量&コンパクトであることで得られる空力性能の高さ、燃費のよさなどを味方にできるとの判断もあったようだ。
いずれにしても、小さなクルマの可能性の高さをはっきりと印象づける戦いぶりとなった。
そんなP-5だが、10年前に一度レストアされている。しかしその時にはエンジンが見つからず、走る状態ではなかった。もっと正確にいえば、エンジンもないことから、展示用として復元されたもの。
それがこのほど自動車工房である“山本自動車”からP-5用エンジンR92B型が発見され、一挙にP-5を走らせようという計画が生まれた。
レストアに関しては、ダイハツ技術研究会を中心として有志によって行なわれた。エンジン外観はかなりの劣化を感じさせるものだったが、エンジン内部に大きな問題なく、交換部品の手当てやハーネス系の構築が大きな作業となっていた。また、10年前に復元されたボディは、あくまでも展示用であったことからメンテナンス性は考慮されておらず、レーシングカーの構造とは異なる部分もあった。そのことから、改めて作り直した部分も少なくなかったという。
全体の作業は若いエンジニアが中心となったが、ディストリビューターなど現代にはないパーツに触れたりその機能を考えたりと古の技術への理解を深めることができた模様。さらに退職した当時の開発者へのヒアリングなどから、現代では想像もできない苦労や工夫の数々を勉強することができたという。
エンジンに火を入れると、1.3ℓとは思えないほどの力強い爆音。静かに鎮座していた往年のマシンが、一気に血流をみなぎらせるかのようだ。
その後は、テストコースでの短いテストランを行ない、P-5完全復元の証を示した。
全長3850mm、全幅1650mm、全高990mmのボディもまた、競合からはふた周りほど小さい印象。車重はわずか510kg。登場から50年を経過する現代に現れたちび助は、まさに小さなクルマの夢を伝える存在となった。
|
|

自動車業界の最新情報をお届けします!
Follow @MotorFanwebフランクフルト・モーターショー2019

ついに来た! 新型ランドローバー・ディフェンダー降臨! Gク...
- 2019/09/10
- ニューモデル

〈新型ランドローバー・ディフェンダー〉新着写真続々! Gクラ...
- PR
- 2019/09/12
- ニューモデル

ホンダの100%EVモデル「Honda E」市販車がデビュー! 約348...
- 2019/09/10
- ニューモデル

コンセプト4は4シリーズの未来形!? BMWの超攻撃型デザイン現...
- 2019/09/10
- ニューモデル

フォルクスワーゲンの小型EV「ID.3(アイディ.3)」デビュー...
- 2019/09/10
- ニューモデル

「AI:Trailクワトロ」はアウディの示す近未来EVオフローダー...
- 2019/09/10
- ニューモデル
マツダ3特集

マツダ3セダン「間違いなく、いまもっとも美しいセダン!」 ...
- 2019/09/10
- インプレッション

日本仕様のSKYACTIV-Xは、なぜハイオク仕様で圧縮比15.0なの...
- PR
- 2019/09/09
- トピック
「マツダは裏切らない」実用性を失うことなく美しいデザイン...
- 2019/09/06
- コラム・連載記事
マツダ3 ファストバックXD:600km走ってその完成度は? 燃費...
- 2019/08/26
- インプレッション
マツダ3、人気のカラーは? パワートレーンは? ファストバ...
- 2019/08/29
- ニュース
マツダ3 ファストバックXD:vs VW ゴルフ 走り慣れた都内の...
- 2019/08/28
- インプレッション
ジムニー特集
関東屈指のロングダートを制覇せよ! 秋鹿大影林道&万沢林道...
- 2019/08/17
- コラム・連載記事
スズキ・ジムニーとジムニーシエラでダート走行の燃費を計って...
- 2019/08/09
- インプレッション
スズキ・ジムニーシエラを測って測って測りまくる。高さは? ...
- 2019/08/14
- コラム・連載記事

結局、スズキ・ジムニーのリジッドアクスルは何がスゴイのか?
- 2019/07/01
- ニューモデル
オービス対策‼ 交通取締情報局

移動オービスは何km/hオーバーで光る? 最低検挙速度独断検...
- 2018/11/11
- TOPICS
みんながオービスと見間違えちゃうNシステムの怖さを検証!...
- 2017/10/02
- TOPICS

スピード超過が事故につながる首都高速道路のオービスポイン...
- 2019/09/10
- オービス情報
令和2年、ついに「あおり運転」の罰則も強化へ! どうなる!? ...
- 2019/09/08
- TOPICS