高級トラックの代名詞”スカニア”をJARIで試乗 普通免許で排気量16リッター(!)の”スカニア”を運転してみた【4/25追記あり】
- 2018/04/19
- Motor Fan illustrated編集部 甲斐 貴之
スウェーデン発祥で、トラック、バス、産業用エンジンなどを生産する”SCANIA(スカニア)”。日本では知る人ぞ知る高級トラックメーカーだが、そのスカニアの新シリーズ「ネクスト・ジェネレーション・スカニア」の各ラインアップがついに日本導入を開始。4月某日にJARIのテストコースで試乗会を開催した。普通免許しかもたないレポーターが大型トラックをインプレッションしてみる。
普段トラックをしげしげと見つめる機会などなく、正直言ってどこのトラックも同じに見えると思っていたが、まるで鎧のような凝った造形で押し出し感を高めたフロントグリルはスカニアだけの個性的なプロフィールとなり、一発で見分けがつく。この際立ち感は、メルセデス・ベンツのスリーポインテッドスターや、ロールス・ロイスのパンテオングリルにも通じる強烈なアイデンティティだろう。なるほど、このスタイリングなら、スカニア乗りたさに職場を決める人が出てもおかしくない。クルマ好きなら共感できる部分だ。しかし、スカニアのアピールポイントをエクステリアのみに求めるのは早計である。もっとも大きなリクルートポイントは、その乗り心地にあった。
例えクローズドコースで隣にインストラクターが控えているとはいえ、初めての大型車の運転に緊張度はMAXだった。なんせ最高出力650HP/最大トルク3300Nmを発生する16.35リッターV8ディーゼルを搭載したスカニアS650の試乗は、荷台に重機を載せて総重量70トン以上の移動となる。下手にアクセルを踏んだり、ハンドルさばきを間違えたら大惨事に陥るのではと、正直、試乗を辞退しようかという思いすらよぎった。それほどに目の前にしたトラクターの巨体は、いざ自分が運転する対象としてみると手に負えない感がバリバリだったのだ。
覚悟を決めてエンジンをかける。3ペダルながらクラッチオンデマンドを採用する12速+2速のトランスミッション“オプティクルーズ”はスタート時にクラッチ操作が不要だからアクセルを恐る恐る踏む。全然進まない。あれ? 「もっと思い切り踏んでいいですよ、クルマが重いですから」とインストラクターに声をかけられ、強く踏み込む。スカニアS650はゆっくりと動き出す。最高出力は1900rpm、最大トルクは950〜1350rpmで発生するため、トランスミッションは小刻みにシフトアップしていくが、変速ショックは少なくストレスはまったく感じない。30km/hくらいでゆっくり走ったとはいえ、総重量70トン以上を引っ張る影響か、多少ステアリングがセンシティブに感じることもあったが(乗り比べたスカニアR500は総重量40トン強を引っ張ったがステアリングはド安定)、こと走らせるだけなら終始安定した重厚な走行フィールで、乗用車の運転と大きく変わることはなかった。もちろん、取り回しをせよと言われたら全力でお断りするが。
一般的な乗用車と異なるのは補助ブレーキ「リターダー」の存在だ。スカニアは5段階に効き具合を調節可能な流体式リターダーをもち、オート状態でもアクセルオフ時や下り勾配で自然に効いてスムーズな挙動と制動に貢献する。スカニアオーナーから絶大な支持を得ているというのも納得できる効果を実感した。
初めて覗いた大型トラックの世界は、シンプルだが奥が深いテクノロジーの宝庫でもあった。今後もスカニアをはじめとした大型車両には注目していきたいが、まずは今回のスカニア試乗会の詳細を、5月15日発売の『モーターファン・イラストレーテッド Vol.140』にてご確認いただきたい。
(※4/25追記)
エンブレムのグリフィンは、スカニアが創業時から採用しているもの。文中の「”サーブ”と合併していたときの名残り」は読者に誤解を与える表現でした。お詫びして追記いたします。
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