「モントゴメリー陸軍元帥のファントム III」は二度目の務めを果たす「偉大な8台のファントム」ロールス・ロイスの展示

2017/06/15
MotorFan編集部

ロールス・ロイスの「The Great Eight Phantoms　8台の偉大なファントム」展は、ロンドンのメイフェアで過去最大規模のファントム展である。この展覧会は、初代から7代目のファントムと第8世代となる次世代ファントムを展示する。

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偉大なるファントムたち

7月下旬まで、ロールス・ロイスの「偉大な8台のファントム」展は、ロンドンのメイフェアにて、過去92年間で最大規模のファントムを集めて行なわれる。この展覧会では、この最も有名で豪華なアイテム、第8世代の次世代ファントムを歓迎するイベントでもある。

展覧会の開幕までに、ロールス・ロイスは世界中からロンドンへ旅行する偉大なファントムを発表し、これらのモデルは、その伝説的なオーナー、そして彼らが目撃した歴史的な出来事について語る。今回、英国陸軍元帥バーナード・ロー・モントゴメリーのロールスロイス・ファントムIII、彼の孫であるモントゴメリー子爵がそのイベントに参加することを発表した。

モンティの3台

バーナード・ロー・モントゴメリー陸軍元帥、初代アラメインのモントゴメリー子爵は、彼の禁欲主義的ライフスタイルのためにスパルタン将軍と呼ばれたが、ある領域では最高の交通機関を要求した。それが、彼の好んだロールス・ロイスだった。

第二次世界大戦の間陸軍元帥は、3台のロールス・ロイスファントムⅢを使用した。

最初のファントムは、1936年モデルでフリーストン・アンド・ウェッブによって製作された。これは、戦争省（1684年から1964年まであった英国の行政機関。現在の国防省）に徴収される前は、英国のタルボット・モーター・カンパニーの社長、フレデリック・ウィルコックがオーナーで、モントゴメリーは、これをD-Day（ノルマンディー上陸作戦）までの個人的な輸送手段として使用し、ハンプシャー州サウスウィック・ハウスのウィンストン・チャーチル（英国首相）、アイゼンハワー将軍（のちのアメリカ大統領）、キング・ジョージ6世と共にD-Day計画へと導いた。

イメージの力を信じたモントゴメリーは、永続性、堅牢さ、そして信頼性を伝えるために、彼のロールス・ロイスファントムを使った。そして、彼の部下にそれを見せた。

ロンドンの展示会に出品された、｢バトラー｣ファントムIIIは、モントゴメリーのお気に入りだった。この特別なファントムは、デ・ハビランド・エアクラフト・カンパニーの会長、アラン・サミュエル・バトラーが、チスウイックのHJ ミュリナーで製作した車体を持っていた。その際立った特徴はフロントガラスで、標準的なデザインよりもクルマの空気抵抗を15％向上させた。その滑らかな特性は、スペアタイヤとスイープテールによっても助けられた。

｢バトラー｣ファントムIIIは、何年ものあいだダウニングストリート10番地（英国首相官邸）、ホワイトホールの戦争庁、英国首相のカントリーレジデンス・チェッカーズ、ハートフォードシャー州のノースウッドの軍事作戦センター、フランス・ベルサイユ近郊のロッケンコートにあるNATO最高司令部のAllied Powers-Europe　などがモントゴメリーの公式走行ルートだった。

｢バトラー｣・ファントムIIIは最近、イギリスのエセックスにあるロールス・ロイスのP＆A Wood社で大規模な改装を受けた。

この驚くべきロールス・ロイスを見るための「偉大な8台のファントム」展は、8月に米国ペブルビーチのコンクール・デレガンスに出展前の、最初にして唯一の機会となる。その後、各々のオーナーのプライベートコレクションへと帰っていく。

ロールス・ロイスの「偉大な8台のファントム」展は、今年7月末までロンドンのメイフェアで開催される。