【東京モーターショー速報】いすゞ、EVトラックのモニター市場投入を2018年より開始
- 2017/10/25
- MotorFan編集部 萬澤 龍太
「運ぶの時代に、できること」。いすゞ自動車が東京モーターショー出展にあたって定めたコンセプトワードだ。戦後復興期から日本を支えてきた矜持は、未来の「運ぶ」についても新しい提案を打ち出している。
プレスカンファレンスに登壇したのは、いすゞ自動車 代表取締役社長・片山正則氏。プレゼンテーションの全貌をお届けする。
片山正則・いすゞ自動車 代表取締役社長
皆さまこんにちは。いすゞ自動車の片山でございます。本日はたいへんお忙しいなか、いすゞブースへお越しいただきまことにありがとうございます。
今年いすゞは、創立80周年の節目を迎えました。戦後復興期には、いすゞのトラックはさまざまな物資を運ぶ場面で大きな役割を果たし、人々の暮らしを支えました。トラックにかけるいすゞの情熱は、こうした歴史が原点になっております。高度経済成長期の建設ラッシュにおいては、ダンプやミキサー車をはじめとした多くの建設系トラックが働き、また高速道路網の発達とともに輸送系のトラックやバスが活躍してまいりました。そして、私たちいすゞも世界の「運ぶ」とともに歩んでまいりました。そんな時代を経て、人々の生活はますます豊かになり、いまでは必要なときに必要なものがかんたんに手に入ることが、当たり前の時代になっています。この便利で快適な暮らしを支えているのは、「運ぶ」です。「運ぶ」はいまや生活インフラとして現代社会に不可欠な存在であり、この先もその重要性はさらに増していくのだろうと思います。
この東京モーターショー2017、今年のいすゞブースは「運ぶの時代に、できること」をコンセプトワードといたしました。私どもいすゞ自動車は企業理念のなかに「運ぶを支える」を掲げております。創立以来80年、世界の「運ぶ」とともに歩んできた歴史を通じ、「運ぶ」の大切さを学んでまいりました。またその間には、会社の存続そのものが厳しくなった時期もございました。そのとき、多くの皆さまのご支援をいただいたおかげで、現在のいすゞがあります。今後も未来に向かって進んでいくなか、どのようなかたちで社会のお役に立つことができるのか、さまざまな課題に対するいすゞからのご提案を、このモーターショーでご披露いたします。
まず、いすゞの提案するEVトラック。エルフ EVをご紹介いたします。私どもの小型トラック・エルフは、おかげさまで長年、お客さまから高い評価をいただいております。EVトラックにおいても、商用車に必要な機能や性能をしっかりと満たしたものでなければ、自信を持って社会へ送り出すことはできません。働くクルマであるトラックに求められるもの、それは経済合理性と使い勝手の良さです。この課題を満足させるためにしっかりと時間をかけながら、検討を進めてまいりました。
このエルフ EVは、来年2018年にモニターでの市場投入を目指しております。多様なボディ架装にも対応できるもので、積み荷の質や量、運行距離などを考慮しながら、お客さまごとの使用実態に即した車両を準備し、さまざまな使い方へのモニターを行ってまいりたいと思います。そして、モニターを通じ用途毎の最適な仕様を見極め、経済合理性と使い勝手の良さを兼ね備えた、充分にご満足いただける商用車、EVを作り込んでいきたいと考えております。これからの時代の「運ぶ」を支えるためのいすゞの考える新しい商用車のご提案、それがエルフ EVです。
また、働くクルマの使われ方によってはEV化では対応が難しいものもあると考えています。それぞれの用途に応じた最適な技術を適用していくため、引き続きクリーンディーゼルや天然ガストラックの技術開発にも取り組んでまいります。なお、天然ガストラックについては、2年前に大型CNGトラックを投入いたしました。さらに航続距離の長い、液化天然ガスを使ったLNGトラックの市場投入を目指し、関係省庁さんとの開発実証事業に参画させていただいております。こちらも2018年度には、一般公道でのモニター走行を開始する予定となっております。
続きましてISUZU 6×6をご紹介いたします。私どもは長年、防衛省さんへ人員や物資を輸送するための防衛専用車両を収めさせていただいております。このクルマは圧倒的な悪路走破性を備えており、東日本大震災の救援や復興でもお役に立つことができました。そして、この防衛専用車両に採用した悪路走破性と高い耐久信頼性、そしてこれまでの実績のDNAを民生用トラックに移植したものが、このたびご提案しますISUZU 6×6です。
今後も多くの自然災害への備えが必要とされる日本列島において、企業理念に「運ぶを支える」を掲げる日本の商用車メーカーとして、非常時にライフラインをつなぐ、お役に立つことができる民政トラックの提案こそ、いすゞの重要な使命のひとつであるとの思いを具現化させた車両のひとつでございます。このクルマの持つ性能を生かしていただき、どのような使い方が想定できるのか、皆さまと考えてまいりたいという、いすゞからのご提案であります。
そしてこちら、皆さまの左手にありますのが、未来の配送に対するいすゞからの新たな提案、デザインコンセプト FD-SIです。モノを運ぶこと、受け取ることの楽しさをイメージしながら、小口配送をしっかりと支える、未来の「運ぶ」の姿を表現しました。蜂の巣をモチーフとした外観デザインと、カーゴスペースには強度と積載効率のバランスに優れるハニカム構造を採用しております。車両の展示と合わせ、具体的なオペレーションをイメージした映像も投影しておりますので、のちほどお時間のあるときにぜひご覧いただきたいと思います。
そのほか、こうした「運ぶ」を支えるハードに加え、「運ぶ」を止めないための稼働サポートにもこだわって取り組んでまいりました。業務効率化や安全、省燃費運行に貢献する商用車テレマティクスの見守りや、「つながるトラック」として車両状態をリアルタイムで把握し故障を未然に防ぎ、整備を行うプレイズムについても、今後とも進化させていく予定でございます。また、未来の「運ぶ」を支える先進技術の分野では、メーカーの垣根を越えての協業体制を組み、ITS技術やハイブリッド連節バスの開発を進めてまいります。
私たちいすゞ自動車は、日本の社会に育てていただきました商用車メーカーです。現在の自動車業界を取り巻く環境は、先進技術の導入と異業種プレイヤーの参入により、これまでの常識を超えた大変革期であるとの認識を持っております。こうしたなかで日本の社会とともに歩みながら、グローバル商用車メーカーとして世界中の「運ぶ」を責任もって支え続け、未来へと進んでいきたいと思っております。そんないすゞ自動車への応援を、今後ともよろしくお願いします。ご清聴、ありがとうございました。
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