BMW・X2:機敏な動きが印象的 SUVではなく、SAC(スポーツ・アクティビティ・クーペ) ターゲットはミレニアル世代 イメージは「反逆者」新型BMW X2とはどんなモデルか?
- 2018/07/16
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Motor Fan illustrated編集部
BMW X2は、SUVではない、とBMWは説明する。「SACである」と。SACとは、スポーツ・アクティビティ・クーペのことで、新しい世代に向けた新しいクーペと考えるべきモデルなのだ。タイトルにある、「ミレニアル世代」とは、一般的に1981〜1996年の間に生まれた人を指す。2000年代初頭に社会人になった層のことだ。X2のターゲットは、このミレニアル世代だ。
TEXT◎萬澤龍太(MANZAWA Ryuta)
BMWの完全ブランニューSUVであるX2がいよいよ日本に上陸、試乗会に参加してきた。
腕に覚えのある方なら超高負荷領域の加減速急旋回運転を試したいかもしれないが、開催されたのは箱根・仙石原。周辺は観光地が点在する、交通量の多い細く旋回が続く山道であり、そして何より当方は運転技術に長けていない身。というわけで、道の特性を生かしながら普段の運転方法でこの新しいX2というクルマがどんな振る舞いを見せるのか、試してみることにした。
試乗に供されたのはX2のラインアップのうち、xDrive20i M Sport Xというグレード。xDrive=4WD、20i=2.0ℓ4気筒ガソリンエンジンターボ過給+8速AT、M Sport X=デラックスラインを示す。国内仕様としてはほかにsDrive18iが用意される予定で、こちらはsDrive=FWD、18i=1.5ℓ3気筒ガソリンエンジンターボ過給+7速DCTという仕様で、さらに脱線をご容赦いただけるなら18iの3気筒(B38)はシングルスクロールターボチャージャー、20iの4気筒(B48)はツインスクロールターボチャージャーを用いる。前者が240度ごとの点火間隔で排気干渉が生じにくいのに対し、後者は180度ごとの点火間隔で排気干渉があることによる。なお、Standard/M Sport Xのラインは、18i/20iともに設定されている。
というわけで、国内仕様のX2としてはハイエンドに当たる試乗車である。ホイール/タイヤは20インチ/ピレリP-ZEROの225/40R20を装着。試乗前にタイヤに触れてみたところ発熱はなく、どうやら冷間状態である。空気圧の規定値に対して前後左右ともに20kPaほど高い状態での走り出しだった。
操舵の応答は非常に高い。ステアリングの中立からとても機敏に切れる印象である。走り始めてすぐは登坂旋回の道路状況で後軸に重心がかかっている状態においては運転席で少々跳ねる感じ。これは空気圧が規定値より高いことが影響しているのだろう。いずれにしても40扁平の20インチというタイヤを履いているのにもかかわらずこの乗り心地には驚く。大径タイヤだから乗り心地が悪い、という思い込みはもはや通用しないのかもしれない。ちなみに試乗車の車重は1620kg、前後重量配分は58:42である。
パワートレーンの仕立ては上々、8速ATの制御が気持ちよくなった。ずいぶん前のことだが某社の同じユニットに乗ったときはずいぶんゆるい制御という感想で、縦置き(ZFの8速AT)に比べてずいぶん違うなと思ったものだったが、X2は切れ味のいいシフトプログラムとして上手に仕立てている。登坂におけるシフトアップは、正直どこの会社のどんなユニットでもちゃんとシフトしない変速機というものはおよそ存在せず、それよりも降坂や旋回進入直前のシフトダウン制御にセンスがあらわれると思っていて、その視点ではX2はストレスがないのが印象的だ。サプライヤーはアイシン・エィ・ダブリュ。
またもや脱線をご容赦いただければ、先般開催された「人とくるまのテクノロジー展」でこのアイシン・エィ・ダブリュの8速ATをベースユニットとした1モーター式ハイブリッドユニットが参考出品されていた。スターティングデバイスとしてトルクコンバータの代わりに電動モータを備えた仕様で、ここまで具体的な提案となると登場も近いのかもしれない。最近BMWはプラグインハイブリッドを各モデルに展開していることから、もしかするとあの1モータ式ハイブリッドユニットが……というのは考え過ぎだろうか。
フロントシートは座面の前半部にエクステンション機能が備わっていて、上足の長い人はそれを用いて座面延長を図れるのがユニーク。さらに座面ティルト調整も可能なので、結構なドライビングポジションの調整範囲がある。FWDということで、横置きのパワートレーンとホイールハウス/ABCペダルの配置はどうしても影響があらわれがちだが、X2については気になるオフセットはなかった。
ステアリングの調整範囲は「あまり下がらないな」とは思ったが本車はSUV、高いヒップポイントでシートポジションをセットすることを考えれば不足はないと思われる。
運転操作はもちろんのこと、インフォテインメントやクライメートコントロールの配置と操作の一切はBMW流。いずれのクラスから乗り換えても違和感なく操作できるだろう。
試乗前のプレゼンテーションでは後席の居住性の良さを美点のひとつとしてあげていた。クーペライクなボディスタイルにもかかわらず、後席のヘッドクリアランスに富んでいることが理由。残念ながら1名試乗だったので走行中の後席試乗はかなわなかったが、機会があればぜひ試してみたい。
よく知られているように、X2を含む「2」以下のBMW車は横置きパワートレーン用のプラットフォームを採用している(除F22/23)。ミニのプラットフォーム/パワートレーンとも共通していて、両ブランドを通して大小を使い分けている。小さなほうがUKL1、大きなほうがUKL2と称されていて、UKLとはUntere KLasseの略。ラインアップは拡大の一途をたどっていて、ご参考に現況を一覧にしたものを掲載しておこう。

sDrive18iは遅れて上陸すると聞く。リヤにデフの類いが備わらず、さらにフロントは1気筒を落とした軽量パワートレイン。車両の動きにもきっと大きな違いがあらわれるはずだ。両者を比べるとどのような特質があるのかぜひ試してみたい。
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