ミッドシップとして現代に蘇ったアルピーヌA110の素晴らしき走行性能に惚れた 脳内アドレナリンが吹き出るほど気持ち良い走りを堪能できるアルピーヌA110は最高だ!
- 2018/10/24
- GENROQ編集部

1970年代にラリー世界選手権で活躍した稀代の名車アルピーヌA110 。その後活動を休止したアルピーヌが突如復活したのが2016 年のこと。エンスーの期待が高まる中、アルピーヌは昨年、新型A110 を発表。新しくMRとして登場した新型A110は、最新のエアロダイナミクスや徹底した軽量化が施されたスポーツカーとして生まれ変わった。果たしてその走りは、想像を遥かに超える素晴らしいものであった。
TEXT◎大谷達也(OTANI Tatsuya)
PHOTO◎神村 聖(KAMIMURA Satoshi)
インプレッションの書き出しはいつでも難しいものだが、今回ほど苦しんだことは滅多にない。誤解のないように付け加えると、書くことがないのではなく、ありすぎて困っているのだ。まるで大切な人と久しぶりに再会したときのように、言いたい言葉が次から次へとあふれてきて、結局何も言えないまま口を閉ざしてしまう......。そんな気分を、私はいま味わっている。
それでもどこかから書き始めなければならないとすれば、やはりそのしなやかなサスペンションについて触れないわけにはいかない。ささいなフリクションさえ感じさせることなくストロークする様は、たとえばロールス・ロイスやベントレーといった超高級サルーンにも通じるもので、極めて快適だ。
しかし、次の瞬間にはっと気づく。「いやいや、これは純粋に走りを楽しむためのスポーツカー。こんなに乗り心地が優しくて、ハードコーナリングに耐えられるのだろうか?」そんな疑問を抱きながらワインディングロードへと通じる高速道路に乗ると、そこでも驚きは待っていた。

最新のA110は後車軸の直前に最高出力252㎰の1.8ℓ直4ターボエンジン(次期型ルノー・メガーヌR.S.用と基本的に同じ)を横置きにミッドシップするが、ステアリングから伝わってくる前輪の接地感はまるでフロントエンジンのようで、なんの修正をしなくてもひとりでに直進していくのだ。ステアリングのセンタリング感にも不自然なところは皆無。
もちろん、低速域で感じた乗り心地のよさは100㎞/h巡航でも変わらないどころか、むしろしなやかにストロークする領域が伸びたかのようで、快適性は恐ろしく高い。きっと「このまま500㎞走り続けて欲しい」と頼まれたら、私は2つ返事で「イエス」と答えたことだろう。
しかし、目前に“おいしそう”な峠道があるのに黙って通り過ぎるわけにはいかない。そこで素早い反応の7速DCTを操ってシフトダウンすると、私は高速道路を下りてワインディングロードを目指した。

コーナーをひとつ、2つとクリアして気づいたことがあった。市街地でしなやかな動きを見せたサスペンションはコーナーへの進入時におだやかなローリングやピッチングを誘発するが、それがコーナリングの挙動を遅くしたりドライバーに恐怖心を植え付けることはない。むしろ、コーナー進入時のスピードを把握するバロメーターとして機能するので、心強い存在とさえいえる。
ステアリング操作に対するレスポンスは良好で、まったく遅れがない。しかも、操舵量に対するリニアリティが正確に確保されているので、それこそ最初に飛び込むひとつめのコーナーから狙ったとおりのラインをトレースできる。
このときドライバーはA110の基本レイアウトやディメンジョンがすべてコーナリングを楽しむために設定されていることに気づくはず。クルマの回転中心がドライバーの着座位置に近いうえに、重心位置が低くて重量の前後バランス(44対56)が良好。そして何よりも絶対的に軽量(車重1110㎏)なので、すべての動きに無理がなく、素早く自然にコントロールできる。この素性のよさこそ、A110の最大の強みだろう。
これに関し、プレスリリースには「ダブルウイッシュボーンの採用により理想的な対地キャンバーを実現でき、ロールを抑える必要性が減った」との主旨の記述がある。それはもちろんそうなのだろうが、徹底した軽量設計とバランスのいいレイアウトのおかげでコーナリング時の荷重移動が小さくなり、これにより相対的に柔らかいスプリングでもボディの動きを抑えられるようになったとも考えられる。
もっとも、これは「ニワトリが先か、タマゴが先か」と同じこと。実際には、最終的なクルマを見通したうえでクルマの基本設計を行い、それらを実直に実行、熟成していったからこそ、すべての面で理想的なA110のシャシー性能が完成したのだろう。
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