BMW Z4 M40i BMW Z4 M40iがもたらすスポーツカーの春!
- 2019/04/27
- GENROQ編集部

スープラよりも一足先に本邦初試乗となったZ4。トヨタとの共同開発ばかりが話題になっているが、そもそもZ4はBMWを代表するスポーツカーである。春を迎えた伊豆半島を巡り、その魅力を考えた。
REPORT◉高平高輝(Koki Takahira) PHOTO◉神村 聖(Satoshi Kamimura)
※本記事は『GENROQ』2019年5月号の記事を再編集・再構成したものです。
逞しい足まわりを持つスポーツカー

Z4というより「Z6」と呼ぶぐらいが相応しいのではないか、と感じるほど、ほぼ9年ぶりにモデルチェンジした新型Z4は予想以上に立派に生まれ変わっていた。新型はZ4としては三世代目。その中でM40iはシリーズのトップグレードにあたるとはいえ、最新鋭のアシスタンスシステムからアダプティブダンパー付きMスポーツサスペンションやMスポーツディファレンシャルまで、装備満載の高性能かつ洗練されたロードスターである。
「ロードスター」は本来の定義で言えば、簡素で軽快なオープンスポーツカーを意味し、快適性よりはむしろスパルタンさを優先するのが常識だったが、今やその種の剥き出しのスポーツ性はあまり歓迎されないようで、従来型もツアラーとしての快適性に配慮したモデルだった。それが新型では、基本ディメンションを見直して改めてスポーツ性を高めながら、実用性も手放していない、いわば欲張りな2シーターオープンに一新された。
振り返ってみれば、Z4の祖先に当たるユニークなZ1ロードスターが発売されたのはもう30年も前のこと。当時の325iのパワートレインを現行型マツダ・ロードスターよりも小さいぐらいのボディに積んだコンパクトなオープンカーだった。高いサイドシルに引き込まれて下がるドアとプラスチック製ボディパネルが特徴的で、軽快で滑らかな走りっぷりが清々しいモデルだった。しかし、Z1は結局日本市場には正規導入されないまま、わずか8000台ほどの生産台数で短命に終わってしまった。

新型Z4はその基本ディメンションが大きく変わったことがまずトピックである。全長は従来型に比べて85mmも長くなった4324mmだが、ホイールベースは同26mm短い2470mmに短縮された。一方で全幅は74mm広がって1864mmとなり、よりスクエアなプロポーションを得たことが分かる。明らかにハンドリング重視のディメンションである。さらに従来型のリトラクタブルハードトップからソフトトップに戻されたのが特徴。それだけでおよそ40kgの重量を削り取ることができたというが、その分を他のメカニズムに注ぎ込んだせいで、車重は従来型とほぼ変わらない。試乗車のM40iの車重は車検証値で1570kg、前後重量配分は51対49だった。

シンプルな電動ソフトトップシステムは軽量であることの他にも利点はある。トップを格納するスペースも小さくなったためにラゲッジスペースは従来型比5割増しの281ℓの容量があり、スーツケースも十分に収まるはずだ。オープンカーは手荷物の置き所に苦労するのが普通だが、新型Z4はその辺りへの配慮も抜かりない。Z4専用だというヘッドレスト一体型のハイバックシートの背後にはブリーフケース程度なら問題なく収まるぐらいのネット付きの棚も設けられている。またアームレスト部分には大きなカップホルダーも備わっている。トランクがあれば十分じゃないかという人もいるだろうが、小さな手荷物を置くこのようなスペースがあるかないかで日常的な使い勝手は大きく左右される。実用性はまず文句なしと言っていい。
スイッチひとつ、約10秒で開閉できる電動トップは、50㎞/h以下なら走行中でも開閉できる。強風が吹き抜ける尾根筋の道で、ちょっと気が引けたが、恐る恐る試してみたところ、まったく危なげなく、素早くかっちりと作動した。その高い精度とタフな造りには感心するばかり、これならどこでもいつでも躊躇いなく屋根を開けることができる。


新型Z4には出力の異なる2ℓ直4ターボを積む20iと30i、さらに3ℓ直6直噴ターボエンジン搭載のM40iがラインナップされるが、日本仕様は20iとM40iに当面限られ、最初に市場投入されたのがトップグレードたるM40iである。N58型3ℓ直6直噴ターボは、基本的に従来型を踏襲したものだが、新型燃料ポンプを採用して燃料の噴射圧力を従来型の倍以上の350barに高めたほか、ヘッド一体型水冷エキゾーストマニフォールドの採用やフリクションの低減など細部にわたって改良が加えられ、340㎰と500Nmを発生する。トランスミッションは低速側ギヤをクロスレシオ化したスポーツ8速ATで、M40iにはローンチコントロール機能も備わり、0→100㎞/h加速は4.5秒という。
当然ながらパワーはどんな場面でも十分以上だが、それよりも低速からジュワーとふんだんに溢れ出すトルクが頼もしく、ドライビングパフォーマンスコントロールのモード切り替えスイッチにもシフトパドルにも手を触れることなく、右足のわずかな動きで自由自在にスピードをコントロールすることができる。



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