【インカー動画】全日本ラリー第4戦「久万高原ラリー」クラス2位の板倉麻美&梅本まどか組の奮闘レポート
- 2019/06/03
- MotorFan編集部
レグ1午後はSS3。キャリパーから煙が!?

さて、午後のSS3です。
明日のレグ2はこの逆走になるのですが、この道を走るのは最後。さっきよりも良い感覚で走り、無理はしない。ということを2人で言いながらSS3に臨みます!
SS3は途中でふと怖いな・・・と思うようなシーンがあったのですが、スピードが乗って怖く感じているのか、私の感覚は判断できず、フィニッシュした時は一安心という感じでした。
ですが、タイムを見るとだいぶ落ちています。
スピードで怖かったわけではなかったんだと思いながらタイヤ回りをチェックしえみると、煙が出ていて変な臭いがしました。
板倉選手が確認するとブレーキキャリパーが燃えている!?
とりあえず、山に入る前に、携帯の電波が通じるうちに監督に電話をして伝えることにしました。
そんな中、次のSSにも向かわなければなりません。板倉選手はいろいろ試しながら走り、とりあえずサービスまで無事に戻ることを考えようと決めました。
監督にブレーキまわりの写真を送りたかったのですが、山奥なので電波がなく送信できません・・・。
SS4の前も、他の選手が集まって情報交換をしたのですが、JN6クラストップを走る大倉選手に見ていただくと「これなら大丈夫だと思うよ」という嬉しいコメント!
不安も若干ありましたが、板倉選手は落ち着いており、「とりあえず丁寧に、無理せず、サービスに帰ろう」と言いあいながらSS4を走りきりました。
タイムを見ると2番手。
一方、前を走る40号車のいとう選手がマシントラブルでSSスタート序盤で失速していました。
この久万高原ラリーの難しさ、長いSSの大変さを感じました。
SS4を終え、電波を拾い、すぐ監督に連絡し、サービスで治してもらう準備をしてもらいサービスイン。
たくさんのトラブルがありましたが、この日を無事に終える事が出来ました!
また私は初めてヴィッツCVTで板倉選手とSSを走り、感じる事、自分への課題をたくさんみつけました。
この日の夜ホテルに戻ってからは、次の日に走るレッキを見て、ノートを作りなおし、この日のリバースの道なので危ないギャップ、跳ねる部分や砂で滑る部分などを要チェックしながらおさらいをしました。
最終日・レグ2

この日は雨予報という噂もあり、もしかしたら最後のSSだけ雨が降るかもという話をしながら、みんなでサービスパークへ向かいます。
今回はタイヤが10本使えるということで毎回フロントには新品タイヤのソフト、リアはずっと同じウェットで走ります。
いつもサービスを出る時はメカニックさんが指示を出し、その指示に従いドライバーはクルマを動かし、みんなに見守られながら出発です。

リフュエル(給油)してからSS5に向かうのですが、ホントに緑が多くて綺麗な景色が多くてリエゾン区間は気持ち良かったです。
まるでルーキーとは思えない板倉さんの走りには驚かされることばかり!

SS5もあっという間にスタート時間に。
昨日チェックした危ないポイントも伝え、カウントダウンをし、スタート。
思っていた以上にタイトなコーナーが多くて、途中苦戦した場面もあり、でも昨日より息は合ってきている感覚が少し掴めてきました。
板倉選手はいつもSS中やその前後ではホントに落ち着いています。そして前が良く見えているということに驚きました!
SS6はギャップが多いイメージであることをレグ1で確認していたのですが、走ってみると想像以上に跳ねて驚きました。
このSS中には、ロールケージのカバーが外れてきてしまったのですが、それを走りながら私に渡す板倉選手の落ち着きにも驚きです。
ゴール後、リフュエルを行い、タイヤチェックをしてサービスインです。
板倉さんは、タイヤチェックのたびに「綺麗にタイヤを使うね」と言われます。
唐津では、他チームがミディアムタイヤを選択しているときもソフトを選択しました。ダンロップさんがミディアムを推奨してくるときも、慣れからもあってソフトを選択しました。周囲の方にソフトでいけたの!? と感心されるほどでした。今回の久万高原でも毎回タイヤチェックするたびにタイヤの使い方が綺麗と言われていて、板倉選手の走りのすごさに感心しました。
いよいよ最後のSS7
いよいよ最後の出発です。
SS7に向け気持ちいいリエゾン区間を走り、スタートです。
SS7は凄くタイトなヘアピンがあったり、最初にギャラリーポイントもあります。

最終SSまで来て、SS中に凄く息があってる感じがしてきました。
これまで、板倉選手はコーナーでコ・ドラのコメントを復唱しながら走っていたのですが、最終SSではタイミングが良かったのか復唱がなく、私もいいタイミングで板倉選手が欲しいタイミングで読む事が出来た気がしました。ノートを読んでいるときも楽しく、また終わったときの達成感がありました。
すると、板倉選手が「今、凄く楽しかったね」と言って下さったのです。同じ気持ちだったことにさらにうれしく、また楽しんでドライバーが走れたとともにタイムも悪くはなく、ここにきてようやく板倉選手とヴィッツCVTといい走りができ、とてもホッとしました。
残るはラスト1本。SS8です。
ここは本当にギャップが多く、路面が滑るので抑えるところと加速するコーナーがたくさんあるSS。
ギャップには気をつける! そして無事に帰ろう!と話し、最終SSをスタートしました。
ギャップを上手く交わしタイムアップもしたのですが、個人的には下りの加速とコーナーとが上手くマッチできず、最後の最後にロストしてしまい少し悔しかったです。
それでも、板倉選手はダントツのトップタイムをマークし続けている大倉選手より速く、クラストップタイムを出す事が出来ました!!!
ホントにすごいことです。とても嬉しかったです♪
この後パルクフェルメで車両保管をするのですが、その前に時間を調整するパーキングがあり、そこで大倉選手が板倉選手を待ってくれていました。お互い握手。
なんだかとてもいい光景で、大倉選手も板倉選手もかっこよかったです。
無事、パルクフェルメに車両保管です。

JN6クラスに初めて参戦したのですが、周囲の皆さんとはライバルでもありますが、一緒に参加してる選手です。
そうした感覚を、今回はすごく感じることができ、そこに最初からしっかりと馴染んでいる板倉選手のコミュニケーション能力や落ち着き、速さ、タイヤマネージメントなどなどホントに関心しました。
サービスに戻ると既に帰る準備をして待って下さる皆さんと再会です。

メカニックさんやチームの皆さんは、このトレーラーでクルマとともに帰郷します。ラリーが終わってからももう一仕事なのです。
本当に沢山の方に支えて頂きながらラリーにチャレンジできていることを、身に染みて感じました。
結果はクラス2位!!!

ホントにホントに凄くホッとしました。
正直なところ、怪我はまだ完治しておらず、痛みが残る中、初めてのことばかりで不安でした。でも、たくさんの方に支えられ、チームはもちろん、関係者の方、何より板倉選手に感謝の気持ちでいっぱいです!
初めて板倉選手とヴィッツCVTでいろいろと経験が出来、次に活かしていきたい! もっと大倉選手との差を縮めていきたいぞ!と意気込みたい所ですが・・・
今週末に群馬・嬬恋で開催される「全日本ラリー第5戦 モントレー2019」は残念ながらチームの方針でスキップとなります。
次戦は、7月5日~7日に北海道・ニセコ町などで開催される「全日本ラリー第6戦 2019 ARK ラリー・カムイ」です。
ターマック(舗装路)とグラベル(非舗装路)では、車両の補強をしたり、板倉選手もグラベルは初めてということで変わってくることが多いと思いますが、1つ1つ焦らずレベルアップしていきたいと思います。
今年の目標まであと「完走印4つ」です!
引き続き応援を宜しくお願いします☆+°
(文:梅本まどか 写真:ウェルパインモータースポーツ、梅本まどか)
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