日産セレナe-POWERをホンダ・ステップワゴンスパーダ、トヨタ・ヴォクシーと徹底比較!【ライバル車比較インプレッション】
- 2019/07/31
- MotorFan編集部
急速に進展していく電動への大きな流れ
2014年1月に発売のヴォクシー/ノアハイブリッドは、昨年9月にステップワゴンハイブリッドが発売されるまでの3年8ヵ月、Mクラスミニバンでは唯一のストロングハイブリッドとして人気を誇ってきた。それまでは他のガソリン車やセレナS-ハイブリッドに対し圧倒的な燃費性能と静粛性の高さ、システム合計出力100kW(136㎰)のそこそこに頼もしい走りが魅力だったが、相次いで登場した電気モーター駆動のセレナe-POWERとステップワゴンハイブリッドにひっくり返された格好になった。
ゼロ発進から約80㎞ /hまでの全開加速を試すとステップワゴンが最速で、セレナは1〜2割程度時間が多く掛かり、ヴォクシーは4〜5割程度多く掛かる(あくまで参考)。電気モーター駆動勢の速さはファミリーカーにとって過剰ともいえ、ヴォクシーでも必要十分以上ではあるが、普通に走るときでも余裕があればドライバーの負担は小さくなる。
ヴォクシーも通常発進時は電気モーターで走りだし、10㎞ /h前後でエンジンが掛かる。電気モーターは最高出力60kW(82㎰)、最大トルク207Nm(21.1㎏m)で従来型ハイブリッドとしては大きめだが、セレナやステップワゴンに比べると小さい。だから走行におけるエンジンの役割は大きく、その分エンジン音が聞こえている時間も量も増えることになる。スタンダードなガソリン車に比べれば格段に静かだが、電気モーター駆動に比べるとかなわない。
一般的な走りでの動力性能が必要十分以上なのは前述の通りだが、アクセル操作に対するレスポンスもまずまずだ。ドライバーの要求に対して、エンジンと発電機を司る動力分割機構が最適解を探して対応してくるのだが、その複雑な機構でよくぞここまでドライバビリティを高めているともいえる。
もちろん、電気モーター駆動の超絶レスポンスにはかなわないが、さすがは熟成されきったTHSⅡだと言える。それも発売から4年が経ったモデルであり、エンジンは先代プリウスから使われている1.8ℓ。ゆくゆくは、吸気ポートに革命を起こした新世代のダイナミックフォース・エンジンになるだろうが、カムリの例から想像するに、レスポンスやドライバビリティ、そして燃費性能でも大きく進化するはず。いまはセレナとステップワゴンが抜きん出たが、またいつひっくり返されるかわからない。
ヴォクシーのハンドリングや乗り心地はバランス志向だ。イヤな硬さがまったくない快適な乗り心地だが、どっしりと落ち着いた雰囲気で安心感がある。コーナーをちょっと速めに走ってみても、安心感を伴った上でそこそこに機敏。セレナとステップワゴンはキャラクターが分かれていたが、ヴォクシーは万人受けする懐の深いタイプだ。
THSⅡのさらなる熟成と進化にも期待したいが、e-POWERとi-MMDの電気モーター駆動がもたらした衝撃はあまりにも大きい。もしかしたら近い将来の日本の乗用車のパワートレーンを根こそぎ変えていってしまうのではないかと思えるほどだ。根源的なスポーティさで勝負するi-MMDに対して、e-POWERは電気モーター駆動ならではのモード設定やドライブ感覚を磨くことに余念がなく、より幅広いファンを獲得する可能性が大きい。セレナe-POWERは将来のEVユーザーを育成する役割を担うことにもなりそう。完全なるゼロエミッションへの架け橋でもあるのだ。
TOYOTA VOXY HYBRID ZS



直列4気筒DOHC+モーター/1797㏄
最高出力:99㎰/5200rpm[モーター:82㎰]
最大トルク:14.5㎏m/4000rpm[モーター:21.1㎏m]
JC08モード燃費:23.8㎞/ℓ
車両本体価格:326万9160円
モーターファン別冊・ニューモデル速報 Vol.568 日産セレナe-POWERのすべて
日産のMクラスミニバン、セレナについにストロングハイブリッドが追加されました。注目のパワートレーンは、エンジンは発電に徹し、駆動は100%モーターが受け持つシステム。16年に登場しベストセラーとなったノートe-POWERと同じくモーター駆動ならではの滑らかな走りが楽しめます。
アクセルペダルを戻せば減速→停止保持を行なうワンペダルドライブももちろん搭載。
日産が誇る高速道路の同一車線自動運転技術「プロパイロット」もe-POWER専用に再セッティング。さらに徹底的に高められた遮音/防音性能により従来よりも1ランク車格が上がったかのような快適なドライブが楽しめます。
ジョイスティックタイプのシフトレバーや専用デザインの2列目キャプテンシートなど所有する歓びを高める装備も充実。ハイブリッドMクラスミニバン最新モデルの魅力を多方面から解説しました。
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