「美しすぎるラリードライバー」クロエリのラリーレッスン~その3~ラリーとレースの違いを教えてあ・げ・る。
- 2018/09/04
- HYPER REV編集部

TOYOTA GAZOO Racing RALLY Challenge(以下TGRラリー)にクスコレーシングからC-1クラスに参戦しているのが、「美しすぎるラリードライバー」クロエリ選手。今季4戦に参戦して目下全勝と絶好調! そんなクロエリ選手に、ラリーに関するあんなことこんなことを、やさしく教えてもらいました。一緒にラリーについて、勉強しましょう!
ラリーはレースではありません。
実は私もラリーを始めるまで、ラリーもレースの1種だと思っていました。ですが、実際は別の競技になります。
四輪のモータースポーツは「レース」「ラリー」「トライアル」「その他」と別れていて、この大きなくくりでもラリーはレースではありません。
レースはF1やSUPER GTなどサーキットのように限られた場所を複数台で走り速さを競います。トライアルはジムカーナやダートトライアルなどで、定められたコースを1台ずつ順番に走ります。その他の競技には電気自動車やソーラーカーを使う競技などがあります。
それでは、ラリーとはどんな競技なのでしょうか?
ラリーは一般公道を使用し、ドライバーとコ・ドライバーがペアを組み一定の間隔を空けて走り、タイムを競います。ラリーの種類には「スペシャルステージラリー」「アベレージラリー」「クロスカントリーラリー」「ラリークロス」があります。
私の参戦しているTGRラリーは「スペシャルステージラリー」です。これはWRCとほぼ同じルールでSS(スペシャルステージ)と呼ばれる、とにかく速く走っていい区間を数ヶ所走り、合計タイムで1番速い人が勝者となります。
私はこのスペシャルステージラリーを始めて、沢山のラリー業界の方とお話をする機会が増えましたが、最初は会話がかみ合わないことが度々ありました。
日本にはスペシャルステージラリーだけでなくアベレージラリーをやっている人も沢山います。アベレージラリーは指定区間を決まった時間で走行し、所要時間の正確性を競い減点が少ない人が勝者です。
昔はこのアベレージラリーが主流だったそうで、実はラリー経験者の父との会話も噛み合いませんでした(笑)。他にも、クラシックカーでラリーを楽しまれている方々も各々自分のやっているラリーの話をするので、「これはおかしい?」となります。
でも、違う種類のラリーをしていてもラリーという競技をやっているという共通の話題で皆さんとても楽しそうにお話しを聞かせてくれるので、途中で気がつけば問題はありません。
自分でタイヤ交換するラリードライバーにびっくり!

脱線してしまったので本題に戻りたいと思います。
ここからは私の感じるレースとラリーの違いを比較したいと思います。まず、ラリーを初めて観に行った時に、とても驚いたことがあります。Super耐久のレースクイーンをやっていたり、トップレースばかり観戦していた私にとって、全日本ラリーと言う日本のトップラリーの現場で、ドライバーが、サービスの時(車のメンテナンスを行っても良い時間中)にタイヤ交換を自らおこなっている姿にとても驚いたのを覚えています。
その時はたまたまだったらしいのですが、サーキットでそんな光景を見たことなかった私が思わず、「ドライバーがタイヤ交換するの!?」とラリーのメカニックに聞いてしまい、笑われましたね。確かに、ラリードライバーはサービスを出て、途中でパンクやマシントラブルが出た場合は、自分達しか対処できません。タイヤ交換など、色々な事が自分達でてきないといけないので今年は私もタイヤ交換やエアーチェックの方法などを覚えました。
自分と戦うラリー、他人と戦うレース。
私はどちらの現場にも行くので、「同じ場所をグルグル回って楽しいの?」とか、逆に「知らない場所を全開って嫌じゃない?」などとよく聞かれます。
ラリーを始めたばかりの頃は、よく分からない道を速く走るためにアクセル踏むのはものすごいストレスでした。これはコ・ドライバーの読んでくれるノートを聞けていないこともあり、本当に知らない道を自分だけの力で走ろうとしていたからです。
隣からの情報を理解して走ればそこは知らない道なのに知っている道に変わる!! 一般道で誰よりも良いタイムを出すために自分と戦う。これがラリーの面白いところ。
一方、レースはいかに正確に良いタイムを刻み、相手とのバトルに勝てるかどうかで、同じコースを走っていても状況は変わり、目に見えるライバルとのバトルはラリーでは味わえない面白さがあります。
自分と戦うラリー、他人と戦うレース。それぞれの会場のドライバーは?もちろん状況などにもよりますが、ラリーのサービスパークは、何事もなければ、ほんわかしている事が多く、レースは長い耐久レースでない限りは、ピリっと張りつめていることが多いです。
どちらも本気の勝負なので集中する時間はやってくるのですが、この空気感はどちらも好きで、それぞれの空気感を皆さんにも体感してもらいたいです。
実際は、まだまだ違いがあって、それぞれもっと面白い所があるはずですが、両方のフィールドで感じた魅力を少しでも皆さんにお伝えできていたら嬉しいです。

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