Peugeot 508 Impression from Editor's room 新型プジョー508に内燃機関の未来像を見た!〈Peugeot 508 国内初試乗〉
- 2019/04/22
- MotorFan編集部 小泉 建治
スウィートと言うほかないガソリンエンジンの味
始めに乗ったのは2.0Lのディーゼルだ。プジョーのディーゼルの評判がすこぶる高いのはすでに読者のみなさんもご存知だろう。低回転域から力強いのは当たり前だとしても、上まで回したときのトゥルルルッという清々しい回転フィールがディーゼル離れしている。トルクにモノを言わせるのではなく、しっかりエンジンを回して走る楽しみがあるのが特徴だ。
トランスミッションは8速ATだが、100km/h巡航ではトップギヤの8速に入らない。100km/h時のエンジン回転数は7速で1700rpmだ。マニュアルモードで無理矢理8速に入れると1400rpmほどに落ちるが、すぐに7速に強制的にシフトダウンされてしまう。
ディーゼル、ガソリンを問わず全グレードにドライブモードが備えられていて、スポーツ、コンフォート、エコ、ノーマルの4つの選択肢が用意される。これは、これまた全グレードに標準装備のアクティブサスペンションとも連動している。
で、このドライブモードで「エコ」を選ぶと、一定速度で巡航中にコースティング機能が起動する。エンジンと駆動輪を切り離す───つまりクラッチを切ったような状態にすることでエンジン回転数がアイドリング付近に下がり、燃費に貢献するものだ。
これは8速に限らず、構造的には2速から機能する仕組みになっている。近々、ロングドライブでぜひとも燃費を計ってみたいものである。
「フランス車と言えばディーゼル、プジョーと言えばディーゼル」という刷り込みがあったから、続いて乗ったガソリンにはさしたる期待は抱いていなかった。予算的に許せばディーゼルで間違いなし。そんな認識だ。
だがしかし、この日本初登場の1.6Lガソリンは超絶スイートだった。駐車場を出て、国道でアクセルを軽く踏み込んだ瞬間、4つのピストンがシュワーっと滑らかに上下動を速め、1.5tのボディはスルスルと滑るように加速する。もちろんV12とは言わないが、直6のようなシルキーさといっても言い過ぎではないだろう。
ワインディングに入り、アクセルを深く踏み込む。天井知らずにギャンギャン回るわけではないが、しかしその回り方は軽やか。
加えてハンドリングも軽快だ。ディーゼル比で約100kgも軽いフロント荷重の恩恵か、ノーズの動きにタメがない。目を向けた方に自然とノーズが向きを変えるような感覚だ。
ただし、クローズドコースで計測したのではないから想像だが、コーナリングスピードがやたらと速い、というわけではなさそうだ。ロールは抑えられてはいるものの、サスペンションの沈み込みと僅かなタイヤのたわみ───つまり接地感がしっかり伝わってくるおかげで、「安心して、そこそこ速いペース」を楽しめるという表現がふさわしいだろう。
ロータスがサルーンを作ったら新型508のガソリン仕様のようになるのではないか。そんな思いが頭をよぎった。
ちなみにこのガソリン仕様では試乗時間の関係で、高速道路を走ることはできなかった。プジョーの商品担当者によれば、ガソリン仕様は100km/hでギリギリ8速に入るとのことだ。
ディーゼルの底知れぬトルクはおおいに魅力的だ。高速走行の機会の多いドライバーにとっては、やはりディーゼルの方が動力性能面においても燃費面においても恩恵が大きい。
だがガソリンが淀みなく、そしてリニアに回るサマには、内燃機関の未来像を見させられた気がするのだ。
既視感のまるでない前衛的なエクステリアと、i-Cockpitに代表される先進的なインテリアを持つ新型508に相応しいパワーユニットは、ずばりガソリンのほうだろう。
プジョー508 GT-Line
全長×全幅×全高:4750×1860×1420mm ホイールベース:2800mm 車両重量:1510kg エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ 総排気量:1598cc ボア×ストローク:77.0×85.8mm 最高出力:133kW(180ps)/5500rpm 最大トルク:250Nm/1650rpm トランスミッション:8速AT フロントサスペンション形式:マクファーソンストラット リヤサスペンション形式:マルチリンク 乗車定員:5名 タイヤサイズ:235/45R17 車両価格:459万円
プジョー508 GT BlueHDi
全長×全幅×全高:4750×1860×1420mm ホイールベース:2800mm 車両重量:1630kg エンジン形式:直列4気筒DOHCディーゼルターボ 総排気量:1997cc ボア×ストローク:85.0×88.0mm 最高出力:130kW(177ps)/3750rpm 最大トルク:400Nm/2000rpm トランスミッション:8速AT フロントサスペンション形式:マクファーソンストラット リヤサスペンション形式:マルチリンク 乗車定員:5名 タイヤサイズ:235/45R17 車両価格:492万円
- 前へ
- 2/2
|
|
自動車業界の最新情報をお届けします!
Follow @MotorFanwebおすすめのバックナンバー
フランクフルト・モーターショー2019

ついに来た! 新型ランドローバー・ディフェンダー降臨! Gク...
- 2019/09/10
- ニューモデル

〈新型ランドローバー・ディフェンダー〉新着写真続々! Gクラ...
- PR
- 2019/09/12
- ニューモデル

ホンダの100%EVモデル「Honda E」市販車がデビュー! 約348...
- 2019/09/10
- ニューモデル

コンセプト4は4シリーズの未来形!? BMWの超攻撃型デザイン現...
- 2019/09/10
- ニューモデル

フォルクスワーゲンの小型EV「ID.3(アイディ.3)」デビュー...
- 2019/09/10
- ニューモデル

「AI:Trailクワトロ」はアウディの示す近未来EVオフローダー...
- 2019/09/10
- ニューモデル
マツダ3特集

マツダ3セダン「間違いなく、いまもっとも美しいセダン!」 ...
- 2019/09/10
- インプレッション

日本仕様のSKYACTIV-Xは、なぜハイオク仕様で圧縮比15.0なの...
- PR
- 2019/09/09
- トピック
「マツダは裏切らない」実用性を失うことなく美しいデザイン...
- 2019/09/06
- コラム・連載記事
マツダ3 ファストバックXD:600km走ってその完成度は? 燃費...
- 2019/08/26
- インプレッション
マツダ3、人気のカラーは? パワートレーンは? ファストバ...
- 2019/08/29
- ニュース
マツダ3 ファストバックXD:vs VW ゴルフ 走り慣れた都内の...
- 2019/08/28
- インプレッション
ジムニー特集
関東屈指のロングダートを制覇せよ! 秋鹿大影林道&万沢林道...
- 2019/08/17
- コラム・連載記事
スズキ・ジムニーとジムニーシエラでダート走行の燃費を計って...
- 2019/08/09
- インプレッション
スズキ・ジムニーシエラを測って測って測りまくる。高さは? ...
- 2019/08/14
- コラム・連載記事

結局、スズキ・ジムニーのリジッドアクスルは何がスゴイのか?
- 2019/07/01
- ニューモデル
オービス対策‼ 交通取締情報局

移動オービスは何km/hオーバーで光る? 最低検挙速度独断検...
- 2018/11/11
- TOPICS
みんながオービスと見間違えちゃうNシステムの怖さを検証!...
- 2017/10/02
- TOPICS

スピード超過が事故につながる首都高速道路のオービスポイン...
- 2019/09/10
- オービス情報
令和2年、ついに「あおり運転」の罰則も強化へ! どうなる!? ...
- 2019/09/08
- TOPICS