ホンダCR-Vをスバル・フォレスター、日産エクストレイル、マツダCX-5と徹底比較!「ライバル比較インプレッション」
- 2019/07/07
- ニューモデル速報

「グローバルに活況を呈するSUV市場において、それぞれに個性的な魅力を放つ4モデルを分析する」日本市場から姿を消していた空白期間を、さらなる性能と質感の向上に充てたCR-Vは、モデルラインナップの中核を担うミドルサイズSUVとして、国内外で実績十分のライバルと比べてどうなのか? その走りと質感を確かめた。
REPORT●石井昌道(ISHII Masamiti)
PHOTO●平野 陽(HIRANO Akio)/神村 聖(KAMIMURA Satoshi)
※本稿は2018年9月発売の「新型CR-Vのすべて」に掲載されたものを転載したものです。車両の仕様や道路の状況など、現在とは異なっている場合がありますのでご了承ください。
人気のミッドサイズSUVは各社の屋台骨を支えている
ここ最近はブームが過熱して増殖の一途を辿るSUVだが、中心的な存在のミッドサイズSUVはそれなりに歴史があり、すでに確立されたジャンルと言っていいだろう。CR-Vは1995年に誕生し、トヨタRAV4とともにモノコックを用いたシティ派SUVの礎を築いた存在。2000年登場のエクストレイルは販売台数ナンバー1を長く続けた、今の日産乗用車の顔とも言える。1997年登場のフォレスターは、当初こそステーションワゴンの背を高くしたクロスオーバーだったが、三代目からSUV然とし、スバル得意のAWDシステムが最もマッチするモデルとなった。CX-5は2012年以来のマツダ新世代商品群の中で最も成功したモデルであり、今やまさに屋台骨。どのモデルもメーカーにとって重要な存在であり、それだけに気合いが入った開発がなされている。
今回はCR-Vの試乗車が1.5ℓ直噴ターボということもあってライバル車もガソリン車で揃えている。CR-V以外はNAエンジンでエクストレイルは2.0ℓ、フォレスターとCX-5は2.5ℓ。トランスミッションはCX-5だけが6速ATでその他はCVTとなっている。
登場以来長く日産SUVの顔として継続した人気を誇る
エクストレイルはガチンコ比較では少々不利かもしれない。現行モデルは2013年の発売以来、走りの面での改良はなく、エンジンの排気量も小さいからだ。だが、CVTは効率良くエンジンの力を引き出すので絶対的なパフォーマンスとしては大きな不満を抱くことはなかった。ただし、2.0ℓ NAエンジンは最大トルク発生値が4400rpmで、日常的な走行でよく使う低回転域ではセンの細さを感じてしまう。巡航走行時はエンジン回転がスッと2000rpm以下に落ちるが、そこではトルクがあまりないため、ちょっとした加速でもギヤ比が変わってエンジン回転数を持ち上げる。コロコロとギヤ比が変わるので、ダイレクトな感覚が得づらいのだ。これはCVTの宿命でもある。
だが、CVTの悪癖と言われる加速時のラバーバンドフィールは巧みに抑えられていた。全開で加速すると2500rpmあたりから回転上昇と加速がリニアになり、6000rpmをちょっとオーバーして約60㎞/h。そこでシフトアップして5500rpmに落ちて再び加速していく。有段ギヤのようなステップ制御のため、間延びした感覚がなくダイレクト。日常でも使うハーフアクセルでの加速の時にもステップ制御となって4500rpmぐらいでシフトアップしていく。加速におけるCVTのネガはない。
シャシー性能は、少々古いためにあまり期待はしていなかったが、ソフトタッチで乗り心地は良かった。特にタウンスピードでは細かな凹凸から大きな段差までサスペンションがスムーズにストロークして快適だ。ただし、速度を上げてコーナーへ差し掛かると、はっきりとSUVらしいロールを見せる。攻めるような走りに対してはタイヤから早めにスキール音が出てきて「あんまり無理しないで」とクルマが言っているかのよう。高速道路の速度域でも普段は問題ないが、風や路面の荒れなど外乱が大きくなってくるとボディの揺れもそれなりに感じるようになるので、あまり飛ばす気にならない。
日産X-TRAIL 20X(4WD 3列シート)

直列4気筒DOHC/1997㏄
最高出力:147㎰/6000rpm
最大トルク:21.1㎏m/4400rpm
JC08モード燃費:15.6㎞/ℓ
車両本体価格:282万7440円
ドライビング・プレジャーにあふれる痛快な走りが魅力
それに比べるとCX-5はオンロードでのスポーティな走りが痛快だった。今回の試乗車は大きめの19インチ・タイヤを装着しているため、路面によってはタイヤがゴツゴツと感じられた。サスペンションもそれなりに引き締まっていて、路面の凹凸が大きなところでは入力がちょっときつい。だが、サスペンションの動き自体はスムーズで、ボディがしっかりしているのでさほど不快には感じさせない。スポーティで質感の高い走りを見せつけるのは、さすがドライビング・プレジャーにこだわるマツダだ。
高速道路ではビシッと安定していて外乱にも強い。ステアリングは中立がわかりやすく、微舵領域での動きも良好。曲がり角やコーナーの後のステアリングの戻りも自然な感覚で運転がしやすい。圧巻なのはハンドリングだ。コーナーへ向けてステアリングを切り始めると、スーッと外側前輪のタイヤに荷重が乗って路面を捉え、過敏でもなく鈍重でもない、まさにジャストな感覚でねらったコーナリングラインへ乗せていける。ガンガンと攻めていってもSUVらしからぬ身のこなしでついてくるから楽しめるが、それよりもむしろ、ヨーロッパのカントリーロードを思わせる、中・高速コーナーの連続を適度なペースで走らせている時が最高に気持ちいい。いいクルマを買って良かったな、としみじみ実感できることだろう。
2.5ℓエンジンのパフォーマンスは十分だが、1610㎏の車両重量と66速ATとの組み合わせは、時としてドライバビリティに不満を抱くこともあった。巡航していると1500rpmあたりで落ち着いていることが多いのだが、2.5ℓとはいえその回転域でのトルクは充実しているとは言い難く、日常的な走りでも2000rpmぐらいは欲しくなる。登りに差し掛かった時などは、力がだんだんと足りなくなってきて、アクセルを踏み増すとシフトダウン。最近の多段ATに比べればギヤ比が離れているのでなんだかビジーに感じられるのだ。全開で加速してみると、6200rpmでシフトアップして3800rpmまで落ちる。パワーバンドを外すというほどではないが、あまりテンポのいい加速とは言えない。こういった面で不満があるのなら、大トルクが自慢のディーゼルを選択するべきだろう。2000rpmで450Nmを発揮する頼もしさは、約30万円の差額を払う価値が十分にある。
スバル・フォレスター X-BREAK

水平対向4気筒DOHC/2498㏄
最高出力:184㎰/5800rpm
最大トルク:24.4㎏m/4400rpm
JC08モード燃費:14.6㎞/ℓ 車両本体価格:291万6000円
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