人工知能(AI)の基盤技術開発拠点を開設 アイシン精機が台場開発センターを開設した狙いとは?
- 2017/05/16
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Motor Fan illustrated編集部
アイシン精機は2017年4月に「台場開発センター」を開設、5月9日に開所式を行なうと同時に報道関係者に公開した。同センターは、人工知能の基盤技術開発を行なう拠点だ。人工知能によるアルゴリズム開発と、それを実現するハードウェアの開発に注力し、取り組んでいくという。
「ITはかつてないスピードで進化しています。身の回りのものにも人工知能が備わり、インターネットにつながるなど、社会インフラやライフスタイルが変化しています。クルマも所有するものから利用するものに使われ方が変わってきています。自動運転に代表される技術もますます革新しています」
アイシン精機は「ゼロエミッション」「自動運転」「コネクテッド」を技術開発の重点領域に定めているが、その3つの領域を進化させるには、人工知能の基盤技術が欠かせないと判断したのだ。台場開発センターでは産学官・ベンチャーと連携して研究開発を進め、愛知県の本社地区では基盤技術の応用を進めていく。
ではなぜ、愛知県に本拠を置くアイシン精機が、東京・台場に開発センターを開設したのか。伊原社長はその理由を「いい技術を早期に具現化するには、いい環境が必要だから」と説明した。オフィスがあるのは、都内有数の複合商業施設であるダイバーシティ東京(東京都江東区青海)に隣接するオフィスタワーだ。フロアの一角には、自由な発想が生まれることを期待して、オープンカフェ風の自由討議コーナーが設けられている。
台場開発センターは当初50名の従業員でスタートし、将来的には100名程度への増員を計画しているという。「どんな人材に来てほしいか」の質問に伊原社長は、「夢を持って挑戦してくれる人を探しています」と答えた。
「『好きなことをやって、いい明日をつくろう』が弊社のスローガンです。社員には『夢を持つ』こと。『新しいことにスピーディに挑戦すること』『壁を打ち破る』ことを意識していただきたいと伝えています。それをやらないと、これから先の新しい社会には対応できません」
アイシン精機が東京に新たな拠点を開設し、人工知能の基盤技術開発に乗り出したのは、危機感の表れでもあるだろう。ヨーロッパのメガサプライヤーはM&Aを繰り返すことにより、「アイシングループとデンソーを合わせたような状態」(伊原社長)にまで規模を拡大している。
「海外勢は完成車メーカーに近い状態にまでなっています。これまでのようにすべてを完成車メーカーがやるのではなく、我々が完成車メーカーに対してある分野をシステムで提案できるようにならなければいけないと考えています。我々が今まで培ってきたのはメカであり、アクチュエーターです。人工知能はあくまで手段。これをメカと組み合わせてどう付加価値を高めていくか。それが、(台場開発センターで)働く人の『やりがい』や『うれしさ』につながっていけばと思います」
台場発の人工知能技術に期待したい。
(世良耕太)
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