Tech|テクノロジーがわかるとクルマはもっと面白い。未来を予見する自動車技術情報サイト

  • Motor-Fan[モーターファン]
  • モーターファンバイクス[Bikes]
  1. TOP
  2. ニュース・トピック
  3. コラム・連載記事

ドアヒンジから見える日独のドア事情 ドアヒンジ? 洗車のついでに、ドアヒンジを見てみる

このエントリーをはてなブックマークに追加

前回は、洗車のついでにBピラーを見てみたわけだが、今回のテーマは「ドアヒンジ」。ドアヒンジ? そうなんです。もし覚えていたら、次にクルマに乗る際に、ドアヒンジを見てみてください。

これがVWゴルフのドアヒンジだ。
現行VWゴルフの左フロントドアを開けたところ。

この写真、なんだかおわかりになるだろうか? と言ってもタイトルに書いてあるから、これがドアヒンジだというのは、なんとなくおわかりになると思う。

このドアヒンジは、VWゴルフ(現行型)のものだ。
欧米車の主流である形鋼ヒンジだ。

では、こちらは?

WRXの左フロントドアのドアヒンジ
同じく右リヤドアのドアヒンジ

国産車の場合は、ボディ側・ドア側ふたつのプレス成形した枠に軸を差し込んで上下からカシメる構造だ。
欧州車は、鍛造、もしくは鋼材からの削り出しで成形し、片持ちの軸部にドア側を上部から差し込む「リフトオフ」という手法を採ることが多い。

この違いは、歴史的な経緯によるものだ。
プレスだと成形にあたって駄肉がつきやすい。形鋼の場合は鋼材からの削り出しで同じ強度を確保するので小さくできる。

軽量化は現代の自動車の優先開発テーマだから、ドアヒンジといえどもその例外ではない。またドアの形が複雑になる傾向があるので、ヒンジの場所取りも厳しくなってきている。その意味でも形鋼ヒンジが有利だという。

ドアの開閉フィーリングを左右するのは、この黒いパーツ。「ドアチェック」を呼ばれる部品だ。本来は、ドアを全開までの中間位置で止められるようにする機構。それが次第に、ドアの開閉、特に閉まる直前のフィールを左右する重要な部品となった。
ヒンジ自体のコストは、形鋼ヒンジの方が高い。しかし、ドアの組み付け工程を考えると、プレスヒンジと形鋼ヒンジのコスト差は大きくないという。
ヒンジ部品だけで、ドアの優劣が決まるわけではない。が、そこから見えてくる背景もある。また、ドアヒンジにも実にさまざまなノウハウと特許があるという。

ドアの開閉フィールには、ヒンジの「剛性と強度」が関係にしているに違いない、ということで、Motor Fan illustratedではVol.130の特集のために、独エドシャ社に取材を行なった。エドシャはプレス大手ゲスタンプ傘下で、ボディ関連部品、というに「開きモノ」と呼ばれるドア開閉機構に強みを持つサプライヤーである。ゲスタンプ・エドシャ・ジャパンの皆さんに、ドアヒンジに潜む自動車設計の哲学の違いについてもいろいろ教えてもらった。

現行BMW320iの左フロントドアを開けたところ。
話を聞いた(取材に伺った別の編集スタッフ経由)後、洗車したついでに自分のBMW 320iのドアヒンジを見てみる。おお、なるほど。こうなっているのか。

最後にお見せするのが、こちら。
レクサスLC500/500hのドアヒンジだ。

Motor Fan illustrated Vol.130

現在発売中のMotor Fan illustrated Vol.130「剛性と強度」特集で、ドアヒンジの話(だけじゃないですよ、もちろん)を詳しく掲載しています。ぜひご覧下さい。

おすすめのバックナンバー

自動車業界 特選求人情報|Motor-FanTechキャリア

「自動車業界を支える”エンジニアリング“ 、”テクノロジー”情報をお届けするモーターファンテックの厳選転職情報特集ページ

motorfuntech

学生フォーミュラ2019:全車両カタログ

学生フォーミュラ2019:全車両カタログ 一覧へ

フランクフルト・モーターショー2019

フランクフルト・モーターショー2019 一覧へ

ジムニー特集

ジムニー特集 一覧へ

オービス対策‼ 交通取締情報局

オービス対策‼ 交通取締情報局 一覧へ