国交省:ここにもあった! 熱効率50%を達成したディーゼルエンジン
- 2019/05/24
-
Motor Fan illustrated編集部
国交省ブースに一つ、エンジン模型がひっそりと展示されていた。その実物は、なんと熱効率50%を達成していた。
TEXT:川島礼二郎(KAWASHIMA Reijiro)
熱効率50%を達成したエンジンが大いに話題になった。戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)の取組みの一つである「革新的燃焼技術」として、慶應義塾大学の飯田訓正特任教授、京都大学の石山拓二教授、早稲田大学の大聖泰弘特任研究教授らが、乗用車用のガソリンエンジンおよびディーゼルエンジンともに、正味最高熱効率50%を上回ることに成功したのである。
一方で、国交省と交通安全環境研究所は、次世代大型車開発・実用化促進プロジェクトを2002年から推進していた。2018年はその最終年にあたり、第四期課題の一つとして、高効率次世代ディーゼルエンジンの開発に取り組んだ。展示されていたのは、そのモデルである。第三期までに確認した大型車用エンジンの熱効率は46.6%。第四期では熱効率50%達成を目標として設定。熱損失最小化と熱効率最大化を図ったエンジンの試作・検証等を行い、その達成に必要な技術的要件を明確化することとした。実際に試作・検証を行ったのは、新エィシーイーである。
熱効率50%超を実現するために、世界でも類を見ない高い最高筒内圧(35MPa)を実現した単気筒エンジンに、次世代燃焼制御の技術要件を組み合わせた。具体的に取り組んだのは、燃焼室形状の変更、ピストン表面構造の変更、燃料ノズル諸元の変更である。

燃焼室は、燃焼ガスを燃焼室内に閉じ込めることを狙った形状とした。これによりライナーへの火炎接触抑制による冷却損失の低減を実現できる。ピストン表面研磨と裏面溶射により、筒内のピストン表面粗度を大幅に低減。遮熱効果もあり熱損失が低減し、熱効率が改善した。また燃料噴射ノズルの最適化(マルチインジェクタ)では、火炎の空間配置に配慮した空気流動と噴霧特性を狙った。空気利用率の増加により、熱損失と熱効率を同時に改善する効果が出た。これらにより目標としていた熱効率50%を達成した。
|
|
自動車業界の最新情報をお届けします!
Follow @MotorFanwebおすすめのバックナンバー
学生フォーミュラ2019:全車両カタログ
E27:神奈川工科大学
E21:National Taipei University of Technology
E26:日産京都自動車大学校
E18:National Cheng Kung University
E25:成蹊大学
E3:豊橋技術科学大学
フランクフルト・モーターショー2019

ついに来た! 新型ランドローバー・ディフェンダー降臨! Gクラス...

〈新型ランドローバー・ディフェンダー〉新着写真続々! Gクラスの...
PR

ホンダの100%EVモデル「Honda E」市販車がデビュー! 約348万円...

コンセプト4は4シリーズの未来形!? BMWの超攻撃型デザイン現る【...

フォルクスワーゲンの小型EV「ID.3(アイディ.3)」デビュー! 3...

「AI:Trailクワトロ」はアウディの示す近未来EVオフローダーのカ...
ジムニー特集
関東屈指のロングダートを制覇せよ! 秋鹿大影林道&万沢林道(酷...
スズキ・ジムニーとジムニーシエラでダート走行の燃費を計ってみた...
スズキ・ジムニーシエラを測って測って測りまくる。高さは? トラ...

結局、スズキ・ジムニーのリジッドアクスルは何がスゴイのか?
オービス対策‼ 交通取締情報局

移動オービスは何km/hオーバーで光る? 最低検挙速度独断検証!...
みんながオービスと見間違えちゃうNシステムの怖さを検証!【交...
